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新規見込み客にコンタクトできない原因

おはようございます。
BtoB製造業の営業は既存顧客のフォロー中心に行われる傾向があります。それはBtoB取引は長期化、固定化しやすいからです。しかし、あまりにも極端な既存顧客重視は市場環境の変化に取り残されるリスクを高めます。それなのに、なぜ多くの製造業で新規顧客の開拓が進まないのでしょうか?それには原因があります。

新規見込み客にコンタクトできない原因

限られた営業を新規開拓に回せない

製造業では既存顧客を定期訪問し、ニーズを聞き出す「足で稼ぐ営業スタイル」が今も健在です。それ自体悪いことではありませんが、足で稼ぐスタイルは効率が悪く、人海戦術になりがちです。さらに、景気が悪くなると買い控えや値引き要求が多くなり、今まで以上に守りを固めないと競合企業にお客を奪われかねません。限られた営業は既存顧客からの依頼や納品対応に追われ、新規開拓にまで手が回らないことが多いのです。

営業リストが不足している

新規開拓を行うには営業リストが必要です。それが電話営業であっても、工場への飛び込み営業であっても初めに営業リストをつくらないことには何も始まらないのです。しかし、まったく取引のない新規企業に対する電話営業や飛び込み営業は確率が非常に悪く、それを続けるには大量の営業リストが必要になります。一度連絡をして、断られた企業へ再度コンタクトを取ることは難しく、精神的な負担も大きいのがネックになります。生産財の営業なので営業リストには限りがあります。エリアや業種などから適切にターゲットを絞り込むと営業リストは限られ確率の悪い飛び込み営業や電話営業でリストをダメにするわけにはいかず慎重にアプローチ方法を考えなくてはなりません。

適切なコンタクト先が見つからない

工場便覧や過去の資料請求者リストなどから、適切なコンタクト先が見つけられないため新規開拓が進まないことがあります。BtoB取引は組織で購入を検討します。会社や案件ごとにキーマンが所属する部署が変わるため適切なコンタクト先を見つけるにはコツがいります。新規開拓になれた会社なら適切なコンタクト先は経験的につかんでいます。しかし、長いこと特定の会社からの受注に頼っていた会社では営業経験が不足しており、適切なコンタクト先を見つけることが苦手なのです。

まとめ

新規開拓したくても何から手をつけていいか分からない。もしそうなら新規見込み客にコンタクトできない原因を把握することから始めましょう。原因が分かれば対策も見つけやすくなります。新規見込み客に継続的にコンタクトするにはWebサイトを活用して定期的に問合せや技術相談を集めることも一つの有力な解決方法です。ものづくり革新ナビさんに寄稿したWebサイトで成果を上げるターゲティング入門も新規見込み客へのアプローチのヒントになると思います。こちらの記事も合わせて併読することをお勧めします。

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