生産財とは

生産財の定義

生産財とは、商品や製品を生産するために必要な材料、部品、装置などの総称です。企業同士の取引（BtoB）で売買される製品やサービスがこれにあたります。「ビジネス財」や「産業財」とも呼ばれます。

生産財は一般の市場ではあまり見かけないため、一般の人にはなじみが薄いかもしれません。しかし、経済活動においては重要な役割を果たしており、生産に必要なモノやサービスを広く含むため、その対象範囲はとても広いのが特徴です。

生産財の分類

生産財はその性格によって以下の4つに分類できます。

製品の一部となるもの

原材料や部品など、最終製品を構成する要素がこれにあたります。

原材料（主資材）：鉄、アルミ、プラスチック、塗料、工業薬品など
部品・モジュール：モーター、ベアリング、半導体、抵抗器など

これらは最終製品に直接組み込まれるため、生産財の中でも特に重要なカテゴリです。

製造に必要な設備・消耗品

生産設備やシステム、工具など、製品そのものには含まれませんが、製造活動に必要なものです。

生産設備・システム（設備材）：産業用ロボット、工作機械、半導体製造装置など
備品・消耗品：潤滑油、工具、照明など

業務を支えるもの

オフィス機器や事務用品など、企業の業務をサポートするものも生産財に含まれます。例えば、文房具は個人が使う場合は消費財ですが、企業で使用される場合は生産財となります。

製造関連のサービス

設備のメンテナンス、修理、受託生産、技術者派遣など、製造を支えるサービスも生産財の一部です。

生産財と資本財の違い

生産財と似た言葉に「資本財」があります。資本財とは、将来的な利益を生み出すために使用される製造設備や中間生産物のことを指し、土地や労働は含みません。つまり、生産活動を支えるモノが生産財、利益を生む製造設備が資本財と考えるとわかりやすいでしょう。

定着したMRO通販　

MROとは、「備品・消耗品・事務用品」の総称です。MROを扱う企業向けの電子商取引（EC）は定着し、大企業向けの購買支援システムから中小企業向けの通販サイトまで、多くの企業が参入しています。

消費財と生産財の違い

経済活動において、モノやサービスは「消費財」と「生産財」に分類されます。

消費財：一般消費者が使用する目的で購入するもの（例：家庭用のドライバー）
生産財：企業が生産活動のために購入するもの（例：工場で使うドライバー）

同じ商品でも、購入者や用途によって分類が異なる点が特徴です。

中間財とは

建材など、消費財と生産財の両方の性質を持つものは「中間財」と呼ばれます。例えば、建材は一般消費者がお施主として購入することもあれば、工務店や設計事務所などのプロが購入することもあります。そのため、用途によって分類が異なるのです。

生産財市場の特徴

生産財市場には、次のような特徴があります。

市場規模が大きい：消費財市場よりも取引額が大きい
取引が長期的：企業間取引は、複数の関係者が検討し、長期的に継続する傾向がある
景気の影響を受けやすい：経済状況によって需要が変動しやすい
価格の変動に影響されにくい：需要の価格弾力性が低い（価格が変わっても需要が大きく変動しない）
顧客数が少ない：消費財に比べて、取引相手（企業の数）が少ない

一般消費者にはあまり知られていない市場ですが、経済全体に大きな影響を与えています。

関連項目：生産財の購買プロセスTiiiCA

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