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3月, 2025の投稿を表示しています

生産財の選定基準は「品質と価格」だけではない

 おはようございます。 今日は生産財購入の選定基準について考察します。生産財業界では熱心に品質や生産性の向上、そしてコストダウンに取り組んでいます。ユーザー側も慎重に品質や価格を検討し選定を進めていることも事実です。しかし、ユーザーの選定基準は「品質」と「価格」だけではなく総合的な判断をしていることを忘れてはなりません。 品質や価格以外の重要な選定基準 1. 信頼性・耐久性 長期間安定して使えるか(故障しにくいか) メンテナンスの頻度や寿命 2. アフターサービス・サポート メーカーや代理店の保守・修理対応のスピード 予備部品の供給体制 操作トレーニングや技術支援の有無 3. 納期 必要なタイミングで入手できるか カスタマイズ品の納期対応 4. 拡張性・互換性 既存設備やシステムとの適合性 将来的なアップグレード対応 5. 運用コスト( TCO ) ランニングコスト(電力消費、消耗品、メンテナンス費用) 省エネ性能や生産効率の向上 6. 安全性・環境対応 労働安全規制や環境基準( ISO14001 、 RoHS 、 REACH など)への適合 CO₂ 削減や省エネ性能 7. 技術革新・競争優位性 最新技術( IoT 、 AI など)の導入 業界内での競争力向上 8. ブランド・メーカーの信頼性 過去の実績や評判 他社の導入事例 選定基準の優先順位は業界や用途によって異なりますが、ユーザーはこれらをバランスよく考慮していることを理解し生産財メーカーは営業や販売促進をはじめとしたマーケティング活動に取り組む必要があります。

生産財の購買プロセス「TiiiCA」とブランド戦略

 おはようございます。 生産財業界では日常的に品質や生産性向上、コストダウンが続けられ競合力を高めています。しかし、価格と品質以外にもユーザーが考慮するのはあることを忘れてはならないのではないでしょうか。今日はその中の一つであるブランド力について考察したいと思います。 「 Target (目標)」 すべての企業活動は事業目標の達成に集約される 生産財の購買プロセスは「 TiiiCA (ティーカ)」モデルに基づいて整理できます。その最初のステップ「 Target (目標)」です。事業目標達成を目指し多くの企業活動は行われます。製品開発や営業活動など業績アップに直結する活動は当然のこと、採用や社員満足度、定着率の改善なども間接的に業績アップに貢献することを期待されています。 今回の記事のテーマは生産財購入プロセスにおけるブランド戦略なので話を戻します。 ここで重要なのが、企業の認知度です。特定の技術や製品カテゴリにおいて「この分野ならこの企業」というポジションを確立できていると、購買担当者の意識に自然と残ります。このような業界内でのブランドの確立は、購買プロセスの初期段階での優位性につながります。 「 Interest (関心)」と「 Investigate (調査)」における情報発信の重要性 購買担当者は、まず関心を持った分野の情報を収集し、業界トレンドや技術動向を調べます。この段階では、企業が提供する技術情報や事例紹介が、意思決定に影響を与えます。 単に多くの情報を発信するだけでなく、業界での専門性や信頼性を高めることが求められます。たとえば、専門的な知識を持つ企業が発信する技術解説や成功事例は、購買担当者の評価を高める要因になります。 「 Inquiry (引合)」から「 Agreement (契約)」におけるブランドの影響 購買プロセスが進み、具体的な引合や契約交渉の段階になると、企業間の信頼関係が決定的な要素になります。 このとき、業界での評価が高い企業は、単なる価格競争に巻き込まれにくくなります。すでに一定のブランド価値を持っている企業は、「信頼できるパートナー」として認識されやすく、品質や価格、アフターサービスの差が少なければ、競合企業より優先的に選ばれる可能性が高まります。最終的な契約において有利に交渉...

ブログ再開します

 こんにちは ほぼ1年ぶりの投稿です。 10年以上続けたブログを1年も休んでいたのは一度立ち止まりじっくり振り返る時間が欲しかったからです。生産財のマーケティングに携わる者としてこれまでのキャリアを振り返るとともに、現場第一という基本の徹底を行うため新規開拓という厳しい環境に身を投じていました。 それも引き合いをいただいて動くのではなく、アポ取りからおこなう完全アウェーの営業です。20代から30代で経験したことを50代で再挑戦したことで当時と今の違いも体感できたとともに当時と変わらない普遍的な事柄も改めて実感できています。 そもそも、どこの誰だかわからない営業に時間を割く必要はないのです。そうした中どうやって時間を取っていただくのか?興味を持ってもらうのか?最初のハードルを越える大変さを熟知しているからこそ、お客様の営業や販促の悩みに深く共感できるのだと思っています。 そして、幸運にも時間をもらえても取引もない初見の営業のヒアリングに素直に答えるお人好しはまずいない。「情報が欲しいなら先に情報を提供する」提供した情報に価値を感じていただけて、初めて情報を返していただける。 契約に至るまでは幾重にも障壁が立ちはだかります。ひとつづつ障壁を取り除き取引につなげていく。その間、協力をしてくれる人への感謝を忘れてはならない。そして、一生懸命な人には必ず応援する人が現れる。そうした有難さを実感しています。基本がどれだけ身に沁みついているか?自問自答しながらの1年でした。 そのおかげで少し明かりが見えてきました。取引先は約20%増やせました。しかし、目標は約2倍。まだまだです。多くの手掛かりがつかめたので再現性を高めていきながら、どん欲に新しいことにも挑戦してこうと思います。