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Webサイトのゴールを細分化する

生産財では製品・サービスが高額で長期的な取引になる傾向があります。そのためWebサイトのお問合せも少ない場合、月10件未満になります。Webサイトの効果検証や課題分析にアクセス解析をすると、どうしても問合せに注目してしまいますが、問合せ数が少ないためあまり有効な分析ができない企業が多いように思います。


効果検証の難しい生産財マーケティング

生産財の購入は情報収集から比較検討に費やす時間が一般消費財に比べ長くなります。さらに複数の担当者が関与して組織的に検討を重ねるので問合せに至った要因を分析することがとても困難になります。生産財ではこれらの理由からWebサイトの効果検証や課題分析が難しい傾向にあり、有効な分析を行なうには工夫を必要とします。

ゴールの細分化による効果の見える化

そのひとつがWebサイトのゴールを細分化することです。

  • 問合せ
  • 見積り依頼
  • カタログ請求(ダウンロード)
  • 取扱説明書請求(ダウンロード)
  • 技術相談
  • サンプル希望
  • デモ機貸出
  • メルマガ登録
  • ユーザー登録
  • イベント参加希望・・・・

ユーザーにして欲しいアクションをなるべく多く考えゴールを細分化することで、ゴールに至る数も増え分析にも役立ちます。また、ゴール設定を増やすだけでなく、ゴール以外に重要視する指標を設けることも効果検証や分析に役立ちます。

ゴールの細分化が行動を誘発

そしてユーザからみてもゴールが細分化されることでアクションしやすくなります。

  • 滞在時間直帰率
  • 新規ユーザー比率
  • 平均ページビュー
  • 訪問数
  • ユーザー数

これらの指標を組み合わせて自社にとって有効なデータを集めることも必要です。こちらは改めてまとめたいと思います。

ゴール細分化の注意点

ゴールは細分化には注意が必要です。やみくもに細分化していては分析に手間がかかるだけでなく、有効な分析自体が困難になることがあるのです。ゴール細分化が好ましいのは次の2つのポイントを押さえていくことが大切です。

  1. KGIにつながる目標になっているか?
  2. アクセス件数に合った目標数になっているか?

BtoBサイトは最終的にビジネス貢献しなければ意味がありません。常にそのことを意識してゴール設定を検討しなければ不要な工数を増やすだけになってしまいます。またアクセスの少ないWebサイトはゴールを少なく、そしてアクセスの多いサイトはゴール細分化するのが基本。アクセス数に応じたゴール数を意識しましょう。




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