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生産財営業で重要な商社の役割

改めて言うまでもありませんが、流通において生産財商社は重要な役割を果たします。生産財業界では実績と人間関係を重視する傾向があるからです。

生産財営業で重要な商社の役割

製造現場が力を持つ生産財

生産財はカタログスペックだけで判断せずテストを求められます。そして、良い結果が出たとしても購入につながるとは限りません。それは製造現場が力を持つからです。優秀な職人が多く例えば設計のミスがあっても、それに気づき現場で対応するほどの実力を持つのです。しかし、その反面、昔からのやり方を変えたがらないこともあり、テストデータが良くても新しい設備導入に踏み切れないことがあります。

迅速なトラブル対応が不可欠

また、生産財では設備のトラブル対応やメンテナンスをメーカーに期待してます。しかし、生産財メーカーでは必要最小限のメンテナンス要員しかおらず、VIPユーザー以外からの修理依頼に迅速に対応できないことがあるのです。生産財商社はメーカーとのつながりも深く、信頼関係があるのでメンテナンスのためにメーカーを動かすことができるのです。

新規取引に慎重な生産財業界

また、ユーザーは新規仕入先を増やすことを嫌がる傾向があります。たまにしか購入しない製品は取引口座のある商社からの購入を希望します。商社は自社で技術を持つケースが少ない分、アフターサービス面などで不安のある新規メーカーは取扱いたくありません。生産財商社は御用聞きの側面が強く、顧客からの引き合いに対応するという受身のスタイルが中心になりますが、引合いに対しては迅速・丁寧に対応し取引先の信用を積み重ねることに重点が置かれます。引合いに対応するために特定の代理店権を持つメーカーの製品だけでなく、ユーザーから要求されたほとんどの商品について販売を行おうとします。

生産財商社の役割

こうした理由から生産財の新規開拓で商社の役割は大きいのです。御用聞きに徹しユーザーニーズに細やかに対応するのが商社の強みです。商社の強みはかゆいところに手が届く強みです。ユーザーの要求をいかに満たすか?商社にはメーカーを動かす力や交渉力が求められるのです。その反面、新しい製品を提案しニーズを掘り起こすことが得意な商社は少ないような気がします。ニーズのないものを無理に提案することよりも実際のリクエストに迅速に対応することを重視するのです。生産財営業において商社の力は大きなものです。

商流と情報の流れを一つにしない

しかし、ユーザーに対しての情報発信は直接行うのが理想です。PRと啓蒙活動はメーカーが行い顕在化したニーズは商社が対応する。これが生産財営業のオーソドックスなスタイルです。(なかには直販が望ましい生産財もあります。)

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欠点をあげつらうことなく、臭いものに蓋することなく

おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける

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TOCのダイスゲームを体験してきました

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