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誤解の多い「御用聞き営業」と「提案営業」

昔、会社を上げて提案営業を推進したことがありました。その時に印象に残ったことを紹介します。それは仕事のできる営業から「提案営業は意味がない、御用聞き営業をすべきだ。」と言われたことです。

誤解の多い「御用聞き営業」と「提案営業」

御用聞きはレベルが低いという偏見

わたしは「御用聞き」という言葉にいいイメージを持ってませんでした。「何か足りないものはありませんか?」「必要なものはありませんか?」頭を下げて訪問するという誤ったイメージを持っていたのです。御用聞き営業はレベルの低い営業という偏見があったのです。提案営業こそ本物で、御用聞きしかできない営業は生き残れないと思ってました。だから仕事のできる営業が御用聞き営業のほうが大切だといったことに驚き、反論しました。

提案営業は自社製品を売るためのこじつけになりがち

彼によると・・・提案営業は自社製品を売るこじつけ・屁理屈にしかならない。それならば、お客様の注文に答える御用聞き営業を推し進めた方がいい、という意見でした。誤った提案営業をすることの問題点を指摘したのです。そして、御用聞き営業は奥が深くお客の役に立つと教えてくれたのです。確かにその通りです。自社製品を売るための提案は一歩間違うとこじつけ提案になりがちです。そして御用聞きは派手さこそありませんが、確実にお客の役に立ちます。

提案営業と御用聞きはスタイルの違い

顧客理解が提案営業では最も重要です。お客様の不安、不満、不足、不便など現状を教えて頂き、解決のために知恵を絞り、提案することだと思います。そのためにはお客様が心を開いて本当のことが言える強い信頼関係がなくてはなりません。そして、お客様の役に立つサービスや製品を提案するのです。自社製品が役に立たないときは正直に伝えなくてはなりません。起点はあくまでもお客様。自社商品ではありません。私の言う「提案営業」と彼の言う「御用聞き営業」はよく似てると感じました。提案営業には徹底したコミュニケーション能力が必要で御用聞き営業のようにお客様に密着できる能力が不可欠だと思ったのです。そのうえで提案書を作りプレゼンするのか?御用聞き営業のようにさりげなくタイミングよく案内するのか?その違いなのかもしれません。「御用聞き営業」≒「提案営業」なんだと思います。

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