生産財にブランド力が必要なわけ | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2013年10月16日水曜日

生産財にブランド力が必要なわけ

生産財はQCDを比較してプロが判断するのでブランドは不要と考えがちです。しかし、生産財企業も地道にブランド力をつける必要があると思います。

生産財にブランド力が必要なわけ

失敗の許されない生産財購入

生産財の新規購入には大きなリスクが伴います。だからユーザーは慎重に検討を重ねリスクを評価します。QCDが優れることは当然ですが、それだけで受注いただけるとは限りません。会社の信用力(資金力)や評判、知名度も大型商談や長期契約であればあるほど影響が大きくなります。技術があることは必要条件であっても十分条件ではないのです。例えば重要な設備投資に失敗すると経営が傾きかねません。カタログスペックがいくら良く価格などの条件が良くてもそれだけで採用が決まることはまずありません。設備導入後のメンテナンスに必要な技術スタッフがいるか?トラブル時の対応に迅速に対応できる体制があるか?長く安心して付き合える会社と判断される必要があります。

評価の難しい専門技術

専門技術の細分化・複雑化が進み正確な技術評価を難しくなったことで、ブランド力の影響が大きくなりました。技術が高度になり、より細分化が進むほど、その技術を正確に正しく評価できるエンジニアは少なくなります。自信を持って評価できない技術領域にぶつかると、会社の規模や知名度、実績などが重視されがちです。ましてスペックが同等ならばブランド力のない企業が選ばれることは稀なのです。熾烈な競争に勝ち残るには、他社に先駆けて最新の技術を検討し、その技術が最先端であればあるほど正確にその技術評価が難しくなるのです。

組織での検討

そして、生産財の購入は通常複数の人間が関与して組織的に検討されます。個人では純粋に技術の良否で判断できたとしても組織となると無難な判断を下してしまうこともあります。リスクに敏感で会社の規模や実績を重視するメンバーがいた場合、技術力があり取引条件がよくても、知名度のある大手に発注が決まることもあります。

まとめ

この3つが生産財企業にブランド力が必要なわけです。特定の取引先に頼った体質を変えるにも、競合他社との違いを明確にするにも、優秀な人材を採用するにも生産財企業にブランド力は必要だと思います。けっしてブランドは一部の消費財メーカーのものではないのです。

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