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アクセス解析を改善につなげるヒント

おはようございます。
生産財業界でもアクセス解析は随分普及したように思います。2013年9月時点で生産財業界のアクセス解析の導入率は約65%でした。しかし、実感としてセミナー参加者と話しをすると「データを改善に使えない。」「データから課題を見つけられない」というケースがまだ多いようです。アクセス解析の活用はこれからなのです。

アクセス解析を改善につなげるヒント

アクセス解析の限界を理解する

アクセス解析はうまく活用できれば、ユーザーの声なき声を聞ける(推測する)強力なマーケティングツールです。しかし、データにのめり込むと、現場感覚が薄れ、ネットのことが頭の中で膨らみ現実とズレることがあります。アクセス解析の限界を理解してデータと上手くつきあう必要があります。

アクセスした人のデータしか分析できない

アクセス解析ではWebサイトに来てくれたユーザーの分析はできます。しかし、その他のユーザーのことは分かりません。だから、なるべく多くのユーザーにWebサイトを見てもらうことが大切です。そうすることで詳しく正確な分析が可能となります。それでもターゲットユーザーを100%集客できません。ネットで集客が難しいユーザーもいます。またユーザーは常時インターネットを利用するわけではありません。そういった現実=アクセス解析データの偏りを忘れては分析にズレが生じます。

ユーザーの気持ちや状況は書いてない

「いつ」「どこで」「誰が」「何を」クリックしたかはアクセス解析で調べることができます。その情報は貴重なマーケティングデータです。しかし、アクセス解析にはユーザーの気持ちやアクセス時の状況は書いてません。なぜ直帰率が高いのか?どうすればコンバージョンが増えるのか?Web担当者の求める答えはアクセス解析には書いてません。トラブル解決の方法を調べるのか?時間に余裕があるので情報収集したのか?資料請求を迷わずにしたのか?迷って見送ったのか?どんな情報を探して来たのか?情報に満足したのか?ユーザーの気持ちもアクセス解析には書いてません。あるのはデータだけです。

改善は仮説から始まる

Webサイトを見るのは人です。だからデータからユーザーの気持ちを読み解かないと改善は進みません。ユーザーの気持ちを解釈するデータをアクセス解析は用意してくれるのです。データの解釈は答えではありません。全ては推測・仮説でしかないのです。

現場感を持ってデータを解釈する

データは現場、現物、現実から生じます。データだけでは大切なものを見落とします。現場を知らなければデータを上手く解釈することもできません。特にアクセス解析は現場、現物、現実が大切になります。データをいくらみても良い解釈はできません。ランディングページや検索結果画面、リンク先のWebサイトなどWeb上の現場を見ながらデータの意味を読み解く必要があります。しかし、それでも不十分です。もっと大切なことはあなたのビジネスの現場にあります。生産現場、営業現場、お客様、製品に答えはあります。

データ以外は全て推測

現場、現物、現実に立ち還ることがアクセス解析のデータ解釈には不可欠です。しかし、データの解釈には観察した人の勘や経験、そして主観が入ります。改善は仮説から始まりますが、仮説は仮説であって絶対ではありません。あくまでも推測なのでトライアンドエラーの繰り返しを行います。

仮説検証する

生産財では一度のコンタクトで商談が決まるということは余りありません。だから、宣伝や販促をやりっぱなしはNGです。仮説検証が必須です。仮説を元にWebサイト改善をしたらアクセス解析で検証を行うのです。その繰り返しがノウハウとなります。

Webサイト修正で検証する

仮説を元に修正したらアクセス解析で検証します。そのとき「修正したページは毎回スクリーンショットを撮っておく。」「画像名に修正日時を入れておく。」・・・最低限これだけは忘れないようにするのです。そしてアクセスデータも記録するのです。これだけでもやっておけば修正の記録として使えます。改善結果を営業や技術など他部署の人にも共有することが重要です。

  • なぜ修正したのか?
  • いつから修正したのか?
  • どういう修正を行ったのか?
  • どういう効果があったのか?

記録があることで情報やノウハウの共有化につながります。

現場観察で検証する

仮説が見えたらWebサイトの改善をすることが大切です。Webサイトの課題は営業活動や製品・サービスの課題につながる可能性があります。Webサイトの課題を見つけたら、課題を共有する。そのうえで現場も改善することが大切です。営業現場や製造現場に足を運び仮説を検証することが大切です。生産財のビジネスはWebだけで完結しません。だからWebだけ改善しても大きな成果は期待できません。

まとめ

アクセス解析はデータを用意してくれます。第一歩は正しいデータを集めること、そして最も大切なことは現場、現物、現実に立ち返り仮説検証のトライアンドエラーを繰り返すことです。



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