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製造業がゼロから始める新規開拓

おはようございます。
今週はクライアントのところにも行け、有意義な打合せができました。早くも2015年春に向けてのプロジェクトがスタートします。長期スパンのプロジェクトと短期プロジェクトのかけもちは段取りが大切なのでしっかり取り組みたいと思います。今日は新規開拓に挑戦するとき抑えるポイントを紹介します。

製造業がゼロから始める新規開拓

取引先のニーズを洗い出す

慣れない新規開拓を準備なしに初めても成功は見込めません。取引先の同業者や周辺業界へのアプローチが新規開拓のセオリーです。まず、取引先のニーズ洗い出しから始めます。これまでに取引先から寄せられた要望や質問、問合せやクレームをできる限り集めるのです。比較的データとして残りやすい日報、メール、Webサイトからの問合せを中心に情報収集することがお勧めです。この段階では内容に囚われず、情報量にこだわります。情報が使えるかどうかの判断は後にします。情報を集めたら、その中から仮説を立てて、営業や技術担当など社内でのヒアリング、VIP客へのヒアリングを行い集めた情報の深掘りを行います。ユニークな案件を見つけると話し合いは進みます。印象的な出来事を共有するのです。ポイントはニーズを製品スペックや機能だけで捉えず、ユーザーの現状と目標のギャップを埋める課題として再定義することです。自社製品が採用された理由は必ずあり、それが自社の強みなのです。

自社とのマッチングと将来性

取引先の課題がイメージできたら、製品の良さが見えてきます。強みの活かせる業界やアプリケーションが他にもないかブレインストーミングでアイデアを出します。アイデアが出尽くしたら書き出して自社技術や業界との相性の良さそうなもの選びます。そして市場の将来性や競争優位性、そして技術の応用範囲を考慮に入れ、ターゲットの候補を選定します。

ニーズをキーワードにまとめる

ニーズを象徴するような事例を共有できたら、そこからキーワードを考えます。製品カテゴリー、スペック、機能だけでなく顧客価値や課題などニーズにかかわるキーワードも入れます。

検索キーワードを調査する

GoogleやYahooを使って広く情報を集めます。上位ページをチェックするだけでなく検索サジェストや類義語の確認も必要です。キーワードプランナーやÜbersuggestを使って掛け合わせキーワードのパターンも調べるとユーザーニースの理解に役立ちます。

ニーズを持つ業界を推測する

検索エンジンを調べるとメーカーや商社の情報だけでなく、その製品が使われる業界やアプリケーション情報も見えてきます。社内で想定していたものに見落としがないか?新しい切り口はないか注意しながら検索エンジンで情報収集します。画像検索は直感的にニーズをつかむには良いツールで調査の時間短縮に役立ちます。

想定外の競合に注意する

検索エンジンでの情報収集はニーズの深堀やターゲットのリサーチに留まりません。想定外の競合を認識するもにも役立ちます。代替え品も意識しておかないと新規開拓が思わぬところで行き詰まるかもしれません。事前に認識することでターゲットの見直しや対応策の検討ができるのです。製品カテゴリーからの検討だけだと代替え品は見落としがちです。顧客の求める価値をベースに検討しリスクを事前に回避するのです。
 

ターゲットの選定

社内情報の精査と検索エンジンを使った調査を合わせてターゲットを決定します。業種とターゲット部署が特定するのです。あくまでもこのターゲティングも仮説です。だから実際に新規開拓を行いながら結果検証を行い再検討する必要があります。新規開拓はトライアンドエラーの繰り返しです。

ターゲット企業のリストアップ

ターゲットが決定したら工場便覧、業界専門誌、帝国データバンク、関連する展示会見本市など公開情報を活用してターゲット企業をリストアップします。そして優先順位を立てます。
 

アプローチの検討

自社の営業人員、スキル、ターゲット業界での自社の知名度を考慮してアプローチ方法を検討します。一般的にはTELアポ、ダイレクトメール、展示会、専門誌、Webから自社に合ったアプローチ方法を選びます。どれか一つの手段ではなく複数手段の組み合わせによる相乗効果を狙うのがポイントです。

まとめ

下請け体質の製造業がはじめて新規開拓を行うことは大変なことです。自社の戦いやすいフィールドを見つけ、そこから始めるために必要な手順をまもることが大切です。

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