ホットリードと情報収集で求められるスピード感の違い | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2014年3月19日水曜日

ホットリードと情報収集で求められるスピード感の違い

おはようございます。
昨日ブログで「情報収集のQCD」について書いたのですが、D(納期):情報収集にかける時間について説明が足りませんでした。ユーザーニーズが顕在化してからのホットリードと情報収集段階で求められるスピード感の違いについて説明しようと思います。

ホットリードと情報収集で求められるスピード感の違い

顕在ニーズはスピード対応が命

ホートユーザーは、引合を出してからの行動が速くなります。ニーズが仕様に落とし込まれ、引合を出し比較検討します。この時点では営業の素早い対応が商談のカギを握ります。お客の求めるQCDにすぐ回答することが求められます。とくに重要なのは「見積り回答」「納期回答」です。この時点で手間取ると引合いが他社に流れてしまうのです。完全に顧客主導で商談が進むのが特徴です。ニーズが具体的で明確な仕様に落とし込まれているので、営業で付加価値を加えたりVA・VE提案の余地がなく価格と納期勝負になるのです。ホットリードは結果がすぐ出るのがメリットですが、その分、価格勝負になるのがデメリットで利益率は低くなりがちです。

潜在ニーズの掘り起こしには時間がかかる

展示会、宣伝、営業活動、Webサイトなどで集めた見込み客の多くはすぐに案件化することはありません。そして多くの場合「冷やかしだった」「ニーズがなかった」「予算がなかった」と、そのままにされるのです。それは本気度の低い見込み客もホットユーザーと区別せずに同様にアプローチをするからです。しかし、これらの見込み客にまったく可能性がない訳ではありません。

潜在ニーズは高い利益率を狙える

生産財では購買までのプロセスに時間がかかり、複数の人間が関与して意思決定がされるので案件化していない見込み客にも可能性はあるのです。潜在ニーズを持ったこれらの見込み客は案件化までには時間と労力がかかりますが、情報提供することによってVA・VE提案の余地があり、利益率の高い仕事、そして過当競争を避けることにもつながります。潜在ニーズの掘り起こしは難かしく労力はかかりますが、その分チャレンジする企業も少なく、成功すればチャンスが大きいのです。

潜在ニーズの掘り起こしを営業だけに押し付けない

潜在ニーズの掘り起こしは営業活動で行うだけでは上手くいきません。それは営業マンは厳しいノルマを抱えるため短期的な売り上げに意識が集中するからです。また長期的な視点に立って営業できてもこの段階では見込み客は全く買いたい素振りは見せずニーズを育てるには高度な営業スキルを要します。いつになったら案件化するか分からない見込み客フォローにばかり高度な専門職の生産財営業に任せるわけにもいきません。

潜在ニーズの掘り起こしはマーケティングの役割

マーケティング活動には有力な見込み客に育て上げることが求められます(リードナーチャリング)。メールマガジンやダイレクトメール、セミナー、イベントそしてWebサイトを活用して一度コンタクトの合った見込み客に適切な情報提供を行い潜在ニーズを持った見込み客を啓蒙していくのです。生産財メーカーや代理店は独自のノウハウ、スキル、技術を有しています。ユニークな専門性を打ち出し自社サイトを充実させメディア化することで見込み客のニーズを育て、有益な技術相談を集めるのです。

まとめ

今すぐ客は仕様も決まり、完全に主導権はお客が握り、価格勝負になりがちです。今すぐ客も大切ですが、時間をかけて引合いに育てるマーケティング活動も行い過当競争を避ける選択肢もありだと思います。

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