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購入に至る流れを起点から考える

おはようございます。
昨日は久しぶりに外に出て充実した打合せができました。デスクワークがあまり好きでないのでクライアントとの打ち合わせはいい気分転換にもなっています。

購入に至る流れを起点から考える

AIDMAでは不十分?

AIDMAやAISASモデルなど製品購入までの流れを意識してマーケティング活動に生かすことは良く知られています。しかし、実務を行う上では購買プロセスの心理モデルだけで施策まで落とし込むのは難しいのです。検討のきっかけや起点となる製品・サービスを具体的にイメージして施策にまで落とし込む必要があります。ユーザーが製品をどのように検討するのかモデル化するのです。製品が検討される前にユーザーが購入するものはないのか?セットで検討されるものは何か?製品購入後に改めて必要になるものはあるのか?こういったことを洗い出しておくと効果的なターゲティングや他社とのコラボレーション、販促、宣伝、営業のアイデアの元になります。

起点となる製品・サービス

ユーザーが製品・サービスを検討する起点をつかむことが最初のステップです。例えば、Webマーケティングの場合Webサイト公開やリニューアルが起点となって、SEOやリスティング、ソーシャルメディアそしてアクセス解析など他のサービスにつながっていきます。けっしてSEOやリスティングを始めてからWebサイトを用意することはありません。工場や研究所などで使われる生産財でも同様に起点となる製品・サービスを意識することがマーケティング計画を考えるうえで必要なのです。自社製品が起点となる製品・サービスの場合はその後に検討される可能性が高い周辺製品・サービスをセット販売したり、アフターフォローのなかに組み込むのです。起点となる製品のPRは検討のきっかけは何か?把握して機会ロスを減らすための宣伝が重要になります。知名度とブランド力で声のかかる確率を高めるのです。

連動して検討される製品・サービス

製品の採用後に連動して購入されるものならば、起点となる製品を扱う会社にアプローチして代理店になってもらったり、カタログに広告をいれたり、紹介していただくような手法が有効になります。わかりやすい例は引越し屋さんのビジネスです。引越し屋さんのカタログには多くの関連商品が紹介されています。「表札」「ホームセキュリティー」「カーテン」「インターネット回線」・・・引っ越し後に必要になることの多い製品・サービスがたくさん紹介されているのです。「あっ、忘れてた!」「面倒だから一緒に申し込もう」こういったニーズに効率的に応えているのです。生産財でも同様の工夫を行えます。起点となる製品・サービスを意識することで見落としていた打ち手がみつかることがあるのです。

まとめ

マーケティングツールやテクニックを検討する前に自社製品がどのような流れでユーザーに検討されているのか?その時に起点となる製品・サービスは何か?把握することがマーケティング計画立案には必要です。

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おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

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