生産財Webサイトの差別化につながる情報公開 | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2014年5月27日火曜日

生産財Webサイトの差別化につながる情報公開

おはようございます。
今日はブログのネタが思いつかず、昔の記事を読み返していました。すると生産財メーカーのWebサイトには分かっていても情報公開がなかなかできないポイントがあることが再認識できました。難しいことだけにWebサイトの差別化に使えるのだと思います。

生産財Webサイトの差別化につながる情報公開

価格情報は生産財検討に不可欠

生産財はWebサイトで価格を公開するのが難しいものです。しかし、購入検討には価格は必要不可欠な要素です。いかに品質や性能がよくても価格が分からなければ検討できません。カスタム品や試作品は定価がなく価格表示が難しいですが、標準品でも発注先との関係性や発注数量によって大きく価格が変動し、価格を表示することがとても難しいのです。多くのWebサイトでは製品の価格情報が掲載されておらず、新規ユーザーが検討する上で不便を感じるところです。ユーザーは正確な見積もりが欲しいわけではありません。まずは概ねの価格が分かればいいのです。「価格的に検討中のテーマや案件に使えそうか?」その見当をつけたいのです。ざっくりとした価格例のようなものでいいのです。サンプル価格でもいいのです。何も分からなければ取引のある会社や有名な会社に問合せする可能性がますます高くなるでしょう。それでなくとも生産財の取引は長期取引になりやすく新規メーカーや商社との取引に慎重になります。だからこそ新規ユーザーが問合せを躊躇する原因は減らすべきです。

実績公表に関する自社の方針を決める

価格情報と同様に生産財は実績を公開することが難しい業界です。ユーザーからの評価が高いほど守秘義務などで縛られることが多くなります。優れた技術・製品であればあるほど差別化に役立つのでライバル会社に知られたくないのです。だから技術があり実績豊富な企業にとってWebサイトで実績をアピールすることは簡単ではありません。自社の素晴らしい技術力を実績によってアピールすることを諦めるケースが多いように思います。それと同時にユーザーの信頼を裏切るわけにもいきません。ユーザーの信頼を損なわずに自社の実績を公開できたら大きなメリットがあります。どこまで情報を公開するのか?社名の公表は難しいケースがほとんどだと思います。しかし取引社数や累計販売台数なら問題ないのではないでしょうか?情報の公開範囲と非公開情報の判断はデリケートで難しい問題ですが、じっくりと考えるべきことだと思います。なかにはポリシーをもって既存客の信頼を最重視していっさい実績を載せない企業もあります。この考えも素晴らしいと思います。この場合は実績を公表しない考えを表明すればいいのです。その考えに共感や安心感を得るユーザーがいるはずです。安直な考えで実績扱うとかえって「この会社大丈夫かな?」と思われます。実績を公開するかどうか?どこまでオープンにするか?まず実績公表に関する自社の方針を決めることが大切です。

生産終了品のお知らせでサポート情報公開する

生産財取引は長期化、固定化しやすいのが特徴です。だから既存取引先のフォローがともて重要です。長年使用していただいている製品についてのサポートは顧客維持に欠かせません。それなのにWebサイトで生産終了のお知らせにまで気を配れる会社は少ないのです。以前購入した製品の取説が必要になったり、再購入を検討したり修理が必要なユーザーは必ずいます。その時必要な情報がWebサイトになかったらとても不便です。例えその製品が生産終了したとしても関係ありません。その製品が生産終了してもお知らせすることが顧客満足につながるのではないでしょうか?
  • いつ生産終了したのか?
  • 在庫はまだあるのか?
  • サポートはいつまでしてもらえるのか?
  • 後継機種はあるのか?
こういう情報を公開することでユーザーの疑問に応えることが大切です。せっかく市場に出した製品です。生産終了までしっかりサポートすることが大切です。

まとめ

生産財のWebサイトでは「価格」「実績」「生産終了品」の情報は公開されにくいものです。だからこそ他社に先駆けた情報公開は価値が高く差別化にもつながります。

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