統計学が最強の学問である | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2014年6月3日火曜日

統計学が最強の学問である

おはようございます。
このところブログの見直しを行っています。修正したかったけど手間がかかるので後回しにしていたことを少しずつ直しています。記事の内容やメニューのレイアウトを少し変えました。そして、しばらく止めていた書評を再開します(あくまでも自分の備忘録がわりです)。

統計学が最強の学問である


タイトル:統計学が最強の学問である
著者:西内啓
発売日:2013/1/25
ジャンル:統計学・数学
ISBN-10:4478022216
ISBN-13:978-4478022214

データをビジネスに使うための「3つの問い」

この本でも書いていますが、きれいにまとめられたグラフを見ても「ふーん」としか言えない経験をしたことがあります。これではコストをかけてデータを解析する意味はありません。あくまでも具体的な行動につながるためにビジネスでのデータ解析はあるべきです。著者は具体的な行動につなげるには「3つの問い」に応える必要があると主張しています。
  • 【問1】何かの要因が変化すれば利益は向上するのか? 
  • 【問2】そうした変化を起こすような行動は実際に可能なのか? 
  • 【問3】変化を起こす行動が可能だとしてそのコストは利益を上回るのか?
Googleアナリティクスを使ったデータ解析にも当てはまると思います。いくら詳しくデータを分析してもその後の行動に何も影響を与えないのなら分析したコストと時間は無駄になってしまいます。これからは忘れずに3つの問いをデータ解析の習慣にしたいと思います。

因果関係には向きがある

第3章「誤差と因果関係が統計学のキモである」のなかで因果関係には向きがあることが取り上げられています。因果関係には向きがあることを商品購入者の方が広告認知率が高いというデータを例に説明しています。素直に考えれば、広告を見た人(広告を覚えている人)ほど商品を購入する可能性が高いように解釈できます。しかし、「広告を見たから商品を購入したのか?」「商品を購入したことで広告を覚えていたのか?」どちらとの説明も成り立ってしまいます。因果関係に向きがあることは意識することがありませんでした。自分に都合よく因果関係の向きを考えないために因果関係の向きを意識することはとても大事だと感じました。

「誤差」を考えない試算は皮算用

統計には誤差が付き物でデータに対してどの程度の誤差があるのかを考慮に入れないと当てにならない試算になります。ダイレクトメールを送ったユーザーと送らなかったユーザーで購入金額に違いがあるかどうか調べたところ500円違うことが示されたが、統計的な誤差はどの程度か?誤差の大きさによってダイレクトメールの費用対効果は変わり、大きな利益を上げるケースから場合によってはダイレクトメールのコストが回収できないこともあり得るのです。2章で誤差を計算する方法も紹介されています。(2章51ページ:標準誤差を算出する式)

まとめ

アクセス解析やWebサイトのA/Bテストに役立てるために統計学は役立ちます。個人的に印象に残った3ポイントを紹介しました。これ以外にも刺激が多く学びの多い良書だと思います。

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