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生産財購入のリスク回避のパターンを理解し営業する

おはようございます。
来週は夏季休暇をいただいているので1週間ブログをお休みします。ゆっくり休みリフレッシュしたいと思います。生産財の取引は高額だったり、長期間にわたり広範囲に影響を及ぼす場合が多く、お客様は購入によるリスクを極力回避・軽減しようとします。お客様がリスク回避のためにとる行動パターンを理解しておくことは営業に役立ちます。

生産財購入のリスク回避のパターンを理解し営業する

テスト導入

大型投資にいきなり踏み切るのはリスクが大きく躊躇されることが多いものです。そういうケースでは投資額を小さくする(目標を下げる)のが効果的です。まず小規模なテスト導入を行い小額投資で評価を済ませて効果を検証してから本格導入に踏み切る行動がよくとられます。「お試しプラン」が効果的なのは一般消費財だけではありません。むしろ、リスクの大きな生産財でお客様のリスク回避の役に立つ提案はより効果的です。

リスク分散

1社供給による購買コストの引き下げは魅力がありますが、極端な集中購買には供給リスクが伴います。原材料などでは供給リスク回避のため、複数の会社から購入してリスク分散をすることが一般的です。また、複数の会社で共同で受注してリスク分散させるプロジェクトもよくみられます。また、大手製造業では新規取引先の信用不安軽減のために新規取引口座開設に慎重になる傾向があり、すでに口座を開設している生産財商社を通じての購買が望まれることも多くあります。

権威に頼る

専門性が非常に高く社内で技術評価をすることが難しい場合、お客様は専門家の意見を重視する傾向があります。ERPやSCMなどのITシステムの業界が典型的な例です。この業界では自社で主催するITシステム導入セミナーなどで専門家がそのメリットや成功事例をプレゼンすることがよくあります。専門家の権威を利用してお客様の不安を少しでも和らげ安心してもらう効果を期待しているのです。

事例や試験データ

初期段階ではカタログスペックによる検討が行われますが、安心して購入できるか確認するために納入実績、特に事例が重視されます。そしてカタログスペックだけでなく、詳細な試験データによる性能評価が行われます。場合によってはお客様が自ら試験を行ったり、外部の機関に試験を依頼し性能チェックをすることもあります。

知名度や評判

企業の知名度や評判を気にするお客様は多いと思います。営業マンであれば会社や製品の知名度でアポイント率が大きく変わることを肌で感じる方が多いと思います。影響度の大きな生産財の購入はより慎重にリスク評価が行われます。出来る限りデータを集め論理的に検討が進められますが、同時に知名度や評判が与える影響は決して小さくありません。だからBtoBの業界でもブランディングの重要性が言われるのです。

まとめ

お客様が新規取引先や新製品導入などのリスクを避けるためによくとる行動パターンに合わせ、あなたの会社の営業は対応できてますか?しかし一般的にはお客さまのリスク回避パターンに合わせて対応を変える営業は少ない気がします。お客様がメリットに理解を示したのに躊躇してたら、値引きやプラン変更による予算金額の縮小で対応してませんか?御社の業界ではお客様がどのパターンでリスク回避することが多いのか?意識して会社として対応を検討してもいいと思います。

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