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日本企業はモノづくり至上主義で生き残れるか

おはようございます。
11月7日にメールマーケティングをテーマにしたセミナーを株式会社ラクスの運営するメルラボさんと共同で開催することになりました。BtoB企業向けの有意義なセミナーなので詳細が決まったら改めて宣伝いたします。今日はお勧めの本を紹介します。

日本企業はモノづくり至上主義で生き残れるか


それは「日本企業はモノづくり至上主義で生き残れるか」です。正直タイトルにはあまり魅力を感じませんでした。しかし、製造業のWebマーケティングを生業にしているものとして読まなければ・・・という義務感で読み始めたのですが、自社の危険度を具体的に把握でき改善の方向性も示しているのでお勧めの1冊です。

タイトル:日本企業はモノづくり至上主義で生き残れるか
著者:フランシス・マキナニー
発売日:2014/6/20
ジャンル:実践経営・リーダーシップ
ISBN-10:4478026572
ISBN-13:978-4478026571

スーパー現場でキャッシュ化速度を加速させる

第3章【「スーパー現場」がキャッシュ化速度を加速させる】が特にお勧めです。2つの指標で簡単に自社が「スーパー現場」であるかどうか判断できる解説しています。その指標は以下の通りです。

1.キャッシュ化速度指数

在庫日数+売掛金日数-40(買掛金日数として代入)が5以下。製品を製造して現金化するまでのスピードを尺度に挙げているのです。

2.資本速度指数

企業価値[EV]に対する営業利益のパーセンテージが20以上。いかに儲かるビジネスかを尺度にしているのです。

この2つの指数は上場企業ならすぐに計算できます。この指数を使って企業をA~Fに評価しており、自社をすぐに評価できるのです。ライバルよりも顧客情報を素早くキャッシュ化できるかどうかが生き残りのカギになると主張しているのです。この評価が低い企業は仮に世界で最も素晴らしい製品を開発したとしても、顧客情報をまともな速度でキャッシュ化できないためにいずれ行き詰ると主張しています。そして本書の中ではアップルを例に研究開発の効率性も「スーパー現場」であるかどうかで大きな差が出ていることを示しています。行き過ぎたものづくり信仰、精神論で危機を乗り越えることはできないことを教えてくれる1冊です。

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欠点をあげつらうことなく、臭いものに蓋することなく

おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

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