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サイトリニューアルの予算計画で忘れがちなこと

おはようございます。
そろそろ12月になりますね。残り1か月やり残しのないよう励みたいと思います。


予算申請の前にすること

この時期になるとそろそろ来期予算計画を考える時期だと思います。サイトリニューアルを考えて制作会社に相談したり、予算申請のための見積りを取ったりしている人もいるのではないでしょうか。Web制作の知識がなく、何から手をつけたらいいのか分からない人にお勧めです。
  • Q:仕様は決まっていますか?
  • C:予算はどのくらいでお考えですか?
  • D:納期はいつですか?
相談するとこんなことを聞かれるはずです。仕様など詳細を決めることも大切ですが、その前にすることがあります。

どんなWebサイトにしたいのか?

まずは自社サイトをどんなものにしたいのか考えましょう。形式は問いません。思いつくままに書いてください。

Webサイトを見る人は誰か?

ターゲットユーザーを考えましょう。ここが最も重要です。新規客か既存客かそれとも販売代理店や協力会社か?考えることは当然のこと、部署や役職などの属性も検討する必要があります。そしてさらにターゲットユーザーのニーズや課題も想定しておきましょう。

何を伝えたいのか?

ターゲットユーザーを決めたら次に何を伝えたいのかを考えます。製品情報、会社情報、サポート情報、新着情報など基本的なサイト構成を考えます。この時に同業者のサイトをチェックしましょう。ユーザーは検討時に比較検討します。同業者のサイトも参考にして自社の強みを考えましょう。そしてユーザーニーズに応えるための情報は何か?解決策も考えておかなくてはなりません。

ユーザーに何をもたらすのか?

ユーザーに何を伝えたいのか?これだけだとたんなるPRで終わってしまい思うような成果が得られないかもしれません。伝えたいことをユーザー視点で見直してみることが大切です。Webサイトの情報を見てユーザーが得るものは何か?ユーザーからみて魅力がある情報か?シビアなチェックが必要です。ユーザーのメリットを中心にサイト構成を見直します。検討に必要な情報で抜けてるものはないか?という視点で見直すことが大切です。

目標を共有する

苦労して予算計画を立ててもリニューアルがうまくいかなければ意味がありません。成功させるにはWebサイトの目標をメンバーで共有する必要があります。目標さえ立てればいいというわけではありません。目標を共有することで、方向性が定まりメンバーのベクトルがそろい、それぞれの思惑でバラバラに動くことがなくなります。そして、目標に向かってPDCAを回せるので課題がより鮮明に浮かび上がるのです。逆にWebサイトの数値目標がないと当てもなく宝物を探すようなものです。どの数字を見てばWebサイトの改善ポイントがみつかるのか?数字を見てもそれがいいデータなのかどうか?判断基準がないため苦労の割に成果が出ないことが多いのです。自社のビジネスモデルを理解し、Webサイトの数値目標を決めれば、検証も改善も難しくありません。いつまでにどのくらいの実績を達成するのか?そして誰が責任を持ってWebサイト運営を行うのか?明確にすることでサイトリニューアルの費用対効果の評価軸も定まります。そして目標が共有できたら3つの質問で予算計画をチェックします。

予算計画チェックの3つの質問

  1. サイトリニューアルで利益に貢献できるのか? 
  2. 目標は実現可能か? 
  3. 利益はコストを上回るのか?
この3つの質問に答えられれば自信を持って予算計画を進めることができます。

テクニックより思いやり

予算計画を立てることは第一歩でしかありません。無事にリニューアルオープンすることは当然として、本当に大切なことはリニューアル後のWeb運営です。そのためにはアクセス解析が不可欠です。アクセス解析からサイトの課題をみつけ改善するためには特別なスキルは必要ありません。Webサイトの目的を持ち、数値目標を決めること。そしてアクセス解析で現状を把握して、目標とのギャップから課題を見つければいいのです。しっかりとした数値目標を設定できれば課題を見つけることは簡単です。しかし、改善するとなるとそれだけでは難しいのです。課題は分かったけど、改善方法がわからない。そういうケースを多く見てきました。なぜ課題が分かったのに、改善策が思いつかないのでしょうか?それは顧客理解が足りないからです。そのために相手の気持ちを推し量ることができず、何を改善したらいいか分からないのです。
  1. Webサイトを誰に見て欲しいのか?
  2. その人はどんなニーズを持ってWebサイトに何を求めるのか?
改善をうまく進めるにはユーザーの気持ちになってWebサイトを見直す必要があります。ネットの知識やテクニックよりも相手を思いやる気持ちのほうが大切です。

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