スキップしてメイン コンテンツに移動

ターゲティングの基本

おはようございます。
いよいよ今年も残り少なくなってきました。ラストスパート頑張りたいと思います。


ターゲティングとは

ターゲティングとは自社製品・サービスに、より高い価値を見出す人を探すことです。製品を市場に投入する際に、どの顧客層に的を絞るのか?自社製品・サービスにより高い価値を見出す人は誰か?仮説を立てるのです。

業種・職種では不充分

経営資源は限られており、すべての顧客に対応することは現実的ではありません。だから、競争力を持つ市場(顧客)に絞って集中的に活動する必要があります。ターゲティングは、「自社の強み(弱み)」「市場規模」「製品ライフサイクル」「参入障壁」「競合の戦略」などを総合的に判断をするのが理想です。BtoBでは業種や職種によってターゲットを設定するのが一般的ですが、Webサイトで引き合いを集めるにはそれだけでは不十分です。「自動車メーカーの品質管理担当者」「半導体メーカーの製造部のエンジニア」というようなターゲティングが多いのです。場合によっては「自動車業界」「食品業界」というところでターゲティングが完了しているケースさえあるのですが、それでは的確に的を絞ったとは言えません。

取引実績で細分化する

競争力のあるターゲティングをするには、具体的にユーザーがイメージできるまで掘り下げて考える必要があります。ターゲットは大別すると「既存客」「新規見込客」に分けることができます。既存客は取引額と頻度に応じて「VIP」「リピーター」「スポット」「休眠客」にランク分けできます。新規見込み客は商談の見込み度合いによって「見込み客」「接点客」「潜在客」に分けることができます。まずは既存客を徹底的に理解し、業種・職種に加え導入前に抱えていた課題・悩み、そして検討に至った経緯を整理・分類していきます。どういうニーズを持つユーザーがVIPになりやすいのか?リピーターとの違いは何か?またスポット客との違いからヒントを見つけていくのです。そして休眠客の分析も必要です。自社の弱みや改善点の多くは休眠客の分析からつかめるのです。新規見込み客のターゲティングも既存客の分析をヒントに進めていきます。

検討の進捗状況で細分化する

購入直前の見込み客と調査段階の見込み客では成約率も成約までの手間と時間も大きく異なります。検討の本気度でターゲットを選定して、ニーズを特定しWebサイトで情報提供することが大切です。検討の進捗状況によってターゲットは「絞込み」「比較検討」「検討初期」「情報収集」に分けることができます。そして、ユーザーの製品知識レベルもターゲティングの切り口に使うことで説得方法やコンテンツ制作に役立てます。

ターゲットで変わるWebサイトの役割

ターゲットによってWebサイトに求められる役割は変わってきます。BtoBはWebサイトと営業の連携が重要です。だから営業段階に応じて営業との連携を考えたWebサイトのあり方を考えておく必要があります。

既存顧客

営業マンや販売代理店など人的フォローを中心にするのが既存客をターゲットにする時の基本です。特にVIPやリピーターは営業で徹底的にフォローすべきです。また高額な製品ほど人的フォローが不可欠になります。既存客ではWebサイトは補助ツールとして位置付けます。Webサイトと顧客データベースとの連携が有効で取引状況に応じたサポート情報の提供や、Webサイトでの閲覧履歴や申込履歴を共有しアフターフォローの充実を図ります。

商談中の見込み客

商談進行中の見込み客は営業や販売代理店によるフォローが基本です。しかし、商談前にWebサイトをチェックし予備知識を得て商談に臨むことや購買チームの他のメンバーが水面下で情報収集し評価していることも考えられます。だからWebサイトと営業の一貫性を保つ必要があります。また商談が進むにつれて製品の優劣だけでなく、会社の信用力や実績、供給面など製品のスペック以外の点にも興味が広がります。Webサイトには製品情報+αの情報が求められます。

休眠顧客と接点客

取引の途絶えている休眠顧客やコンタクトのあった接点客はメールマガジンとWebサイトの組み合わせによる見込育成が重要な施策です。BtoBマーケティングで注目されているリードナーチャリングです。休眠顧客向けには生産中止した昔の機種のメンテナンス情報や部品情報を探してくるユーザーもいるので、販売製品のみならず歴代の製品に関するサポート情報や後継機種の案内もメーカーとしても姿勢を示す良いコンテンツです。

潜在客

潜在客へのアプローチは広告宣伝や展示会およびWebサイトでの引合い獲得が有効。営業を活用した人的フォローでは費用対効果が合わないケースが多いのが特徴です。SEOやリスティングなどのWeb広告による地道な集客が必要です。

この記事もおすすめ

このブログの人気の投稿

欠点をあげつらうことなく、臭いものに蓋することなく

おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける

おはようございます。 生産財業界では検討から採用までに時間がかかることが多いため、思わぬタイミングで案件が重なることがしばしばあります。いい時も悪い時も種をまき続けるからこそ、ブレークする時が生まれるのだと思います。2012年、2013年にご提案していた案件が立て続けに動き出しています。景気回復しているのか、たまたまなのか?分かりませんが動き続けている結果だと思います。今日は情報の5Sについて考えます。 シンプルだが奥深い情報の5S 職場環境の改善に不可欠な5S活動。製造業では知らない人がいないほど有名なスローガンです。【整理】【整頓】【清掃】【清潔】【しつけ】とてもシンプルですが奥深いものでいくら努力しても完成ということはありません。マーケティング活動にも5S活動は【情報の5S活動】として応用できます。 情報の5S活動 整理・・・「いる情報」と「いらない情報」を分け「いらない情報」は捨てる 整頓・・・「必要な情報」を「必要な人」に「必要なタイミング」で渡す 清掃・・・わかりやすく情報をまとめる。日常的に情報を更新する 清潔・・・整理・整頓・清掃の状態を維持する しつけ・・・整理・整頓・清掃についてのルールを守らせる 情報の5S活動もシンプルですが、実践を続け改善を続け理想に近づけても完成ということがない奥深いものです。5Sのなかでも特に「必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける。」情報の整頓はマーケティング活動のキモです。しかし、実際には多くのお客様、名刺交換したことのある人、協力会社の人、商談中の人・・・・・・様々な人に適切な情報を必要なタイミングに届けるのは大変なことです。完璧にそれをこなすことは困難です。すこしでも理想に近づけるためにデータベースとWebサイトは役立ちます。 情報の5Sを後押しする道具 徹底することが難しい情報の5S。なかでも情報の整頓はマーケティングに欠かせない要点です。必要な人に必要な情報を必要なタイミングで伝える。それだけのことを徹底するには道具が必要です。そのために欠かせない道具はデータベースとWebサイトです。 データベース Push型のメディアを使っての情報提供には顧客データベースが欠かせません。嫌がる人にメールやFAXを送り続けることは論外です。そして、同じ内容のメール...

TOCのダイスゲームを体験してきました

おはようございます。 朝起きたらWiFiがつながらず復旧に1時間近く時間がかかってしまいました。ネットにつながらないので原因を調べられませんでした。ネットに頼り切るとこういう時不便ですね。今日は時間もないのでサクッとまとめます。昨日はTOCとMQ会計を学びました。ダイスゲームを通してボトルネックを無くすことの大切さや各工程の最適化の合計が必ずしも全体最適につながらないことを体感させていただけました。 TOCのダイスゲームとは 「ザ・ゴール」で有名になったTOC理論を楽しみながら体感できるゲームです。ザ・ゴールのなかでは少年たちが順番にサイコロを振ってマッチ棒を移動させていたゲームです。それぞれがサイコロを振り出た目の数だけとなりからマッチ棒を移動させます。そして最後まで行ったら完成です。参加者をそれぞれ工場の各工程に見立てて、仕掛在庫やリードタイム、納期、欠品など工場内の流れを体感する優れたゲームです。 TOCは理論より実践 昨日、個人的にすごく面白く感じたのは、ゲームにのめり込むと1つの指標に気を取られかえって全体最適を忘れてしまう場面があることです。欠品ばかりに気を取られると注文が少ないことを喜んだり、逆に欠品を出さないことばかりに気を取られると仕掛在庫が膨らんでしまったり、上手くいかないのです。参加者の多くはザ・ゴールを読んでいた優れた人ばかりでしたが、それでもボトルネックを集中的にテコ入れし、それ以外の工程はボトルネックの能力以上に生産しないという原則を守るのは難しいと感じました。だからこそ何度も学びスキルアップさせる必要があるのだと思います。 いくらで作って、いくらで売るか またゲームを通してもう一つ感じたことがありました。それは自分が受け持った工程だけでなく前後の工程や工場全体のことに興味を持つのにこのゲームが役立つということです。もっというと製造の人間だけでなく営業や経理など他部門の人と一緒にゲームに参加すると立場を超えた視点での協力の手助けになると思います。本来、商売はいくらで作っていくらで売るか?その両方を考え最適化する必要があります。ユーザーが喜んで買って頂ける最も高い値段。それが最高の値決めです。そのうえで工場はコストダウンや在庫削減、納期遵守に全力を挙げています。しかし、営業が売上アップを目指し値引いて売って...