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天邪鬼のマーケティング

おはようございます。
BtoBでは情報収集から案件化までに長い時間がかかることがあります。すぐに採用されることもありますが、「いつの話?」というくらい長い時間がかかることもあるのです。これまで多くのクライアントの事例を見てきて理解していたつもりですが、改めて自分のビジネスで再認識する案件が発生しています。セミナーを始めたばかりのころに参加していただいた企業からの話が出始めているのです(セミナーは一つの小さなきっかけかもしれません、しかし、貴重な接点の一つです)。「身を持って知る」って大切だなっと感じています。それと同時にコンバージョンを過度に重視することの弊害も忘れてはならないと感じています。

優等生より天邪鬼のマーケティング


成約率や効率だけに惑わされない

営業でもマーケティングでも効率や成約率に注目が集まります。それ自体悪いことではありませんが、みんなと同じことをしていては優秀な人には敵いません。自分は営業時代、最短の時間で契約することにまったく無頓着でした。というよりもむしろ、あきれるくらい時間がかかって契約するパターンを非常に好んでいました。そのほうが長い目で見て競争も少なく、自分の土俵で勝負ができるからです(けっして、これを真似したほうがいいというわけではありません)。数年間取引がないままフォローし続けていた企業が今では圧倒的な取引量を誇るNO.1クライアントなのです。というよりもほとんどのVIPクライアントはこのパターンで付き合っています。多くのクライアントはフォローしている当時は競合会社の営業にも相手にされませんでした。しかし、その期間に徹底してフォローしたことが決定的な差別化になったのです。営業弱者であるがゆえの作戦でした。Webマーケティングでも同じです。教科書的な成功事例を真似するだけが道筋ではありません。成果を出すための道筋は幾通りもあるのです。

成功事例は決め手だけを強調しがち

「成功事例」はセミナーでも勉強会でも、そしてWebサイトでも有効な鉄板のコンテンツです。とてもニーズが強く、集客に効果的でウケもいい。しかし、成功事例を再現出来る確率は意外と高くありません。至る所に成功事例は溢れています。無料で公開されている事例も多いのです。でも、事例を真似して成功するケースは稀だと感じています。成功事例は参考になりますが、鵜呑みにしてもほとんど意味がないのです。成功事例の背後に隠された狙いや、特殊事情、分かっていても真似できない仕組みまで理解し、自分に合った方法にアレンジする必要があるからです。表面的に真似をしても成果は出ないのです(だからと言って成功事例が意味がないというわけではありません)。上っ面を真似しただけで成果が出る事例はほとんどないのです。成功事例を公開するのは魅力的なコンテンツで多くの人の注目を集めやすく、自社のPRに有効だからという当たり前のことを忘れてはなりません。そして簡単に真似できない自信があるからこそ公開しているのです。

成功の真逆にもチャンスあり

いつの時代でもマーケティングにも流行り廃りがあります。SEO、メールマーケティング、ソーシャルメディア、そして動画マーケティング・・・最新のツールさえ使えば結果が出るわけではありません。目新しいツールを使わず成果を出している企業もあれば、どんどん取り入れても結果の出ない企業もあります。どうしても分かりやすいツールやドラマチックなストーリーに注目が集まりがちですが、アピールされない部分や事例の弱点にも注目して、自社に取り入れる必要があります。成功事例にあこがれて真似するよりも、かえって真逆の戦略を取ったほうが差別化につながり成功することもあります。業界の常識を疑って覆す方法です。成功事例の模倣は二番煎じでしかありません。模倣するなら二番煎じにならないよう一捻りが必要です。

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欠点をあげつらうことなく、臭いものに蓋することなく

おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける

おはようございます。 生産財業界では検討から採用までに時間がかかることが多いため、思わぬタイミングで案件が重なることがしばしばあります。いい時も悪い時も種をまき続けるからこそ、ブレークする時が生まれるのだと思います。2012年、2013年にご提案していた案件が立て続けに動き出しています。景気回復しているのか、たまたまなのか?分かりませんが動き続けている結果だと思います。今日は情報の5Sについて考えます。 シンプルだが奥深い情報の5S 職場環境の改善に不可欠な5S活動。製造業では知らない人がいないほど有名なスローガンです。【整理】【整頓】【清掃】【清潔】【しつけ】とてもシンプルですが奥深いものでいくら努力しても完成ということはありません。マーケティング活動にも5S活動は【情報の5S活動】として応用できます。 情報の5S活動 整理・・・「いる情報」と「いらない情報」を分け「いらない情報」は捨てる 整頓・・・「必要な情報」を「必要な人」に「必要なタイミング」で渡す 清掃・・・わかりやすく情報をまとめる。日常的に情報を更新する 清潔・・・整理・整頓・清掃の状態を維持する しつけ・・・整理・整頓・清掃についてのルールを守らせる 情報の5S活動もシンプルですが、実践を続け改善を続け理想に近づけても完成ということがない奥深いものです。5Sのなかでも特に「必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける。」情報の整頓はマーケティング活動のキモです。しかし、実際には多くのお客様、名刺交換したことのある人、協力会社の人、商談中の人・・・・・・様々な人に適切な情報を必要なタイミングに届けるのは大変なことです。完璧にそれをこなすことは困難です。すこしでも理想に近づけるためにデータベースとWebサイトは役立ちます。 情報の5Sを後押しする道具 徹底することが難しい情報の5S。なかでも情報の整頓はマーケティングに欠かせない要点です。必要な人に必要な情報を必要なタイミングで伝える。それだけのことを徹底するには道具が必要です。そのために欠かせない道具はデータベースとWebサイトです。 データベース Push型のメディアを使っての情報提供には顧客データベースが欠かせません。嫌がる人にメールやFAXを送り続けることは論外です。そして、同じ内容のメール...

TOCのダイスゲームを体験してきました

おはようございます。 朝起きたらWiFiがつながらず復旧に1時間近く時間がかかってしまいました。ネットにつながらないので原因を調べられませんでした。ネットに頼り切るとこういう時不便ですね。今日は時間もないのでサクッとまとめます。昨日はTOCとMQ会計を学びました。ダイスゲームを通してボトルネックを無くすことの大切さや各工程の最適化の合計が必ずしも全体最適につながらないことを体感させていただけました。 TOCのダイスゲームとは 「ザ・ゴール」で有名になったTOC理論を楽しみながら体感できるゲームです。ザ・ゴールのなかでは少年たちが順番にサイコロを振ってマッチ棒を移動させていたゲームです。それぞれがサイコロを振り出た目の数だけとなりからマッチ棒を移動させます。そして最後まで行ったら完成です。参加者をそれぞれ工場の各工程に見立てて、仕掛在庫やリードタイム、納期、欠品など工場内の流れを体感する優れたゲームです。 TOCは理論より実践 昨日、個人的にすごく面白く感じたのは、ゲームにのめり込むと1つの指標に気を取られかえって全体最適を忘れてしまう場面があることです。欠品ばかりに気を取られると注文が少ないことを喜んだり、逆に欠品を出さないことばかりに気を取られると仕掛在庫が膨らんでしまったり、上手くいかないのです。参加者の多くはザ・ゴールを読んでいた優れた人ばかりでしたが、それでもボトルネックを集中的にテコ入れし、それ以外の工程はボトルネックの能力以上に生産しないという原則を守るのは難しいと感じました。だからこそ何度も学びスキルアップさせる必要があるのだと思います。 いくらで作って、いくらで売るか またゲームを通してもう一つ感じたことがありました。それは自分が受け持った工程だけでなく前後の工程や工場全体のことに興味を持つのにこのゲームが役立つということです。もっというと製造の人間だけでなく営業や経理など他部門の人と一緒にゲームに参加すると立場を超えた視点での協力の手助けになると思います。本来、商売はいくらで作っていくらで売るか?その両方を考え最適化する必要があります。ユーザーが喜んで買って頂ける最も高い値段。それが最高の値決めです。そのうえで工場はコストダウンや在庫削減、納期遵守に全力を挙げています。しかし、営業が売上アップを目指し値引いて売って...