営業日報の活用で守るべき4つのポイント | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2015年4月15日水曜日

営業日報の活用で守るべき4つのポイント

おはようございます。
勘と経験に頼った営業からの脱却、営業プロセスの見える化が注目されてずいぶん時間がたったように思います。行き過ぎた売上志向や、一歩間違うと単なる言い訳になってしまうプロセス重視、また営業スタイルのたこつぼ化は情報共有の妨げになります。そういう状況を変えるために日報の共有化、営業事例の蓄積に取り組む時のポイントをまとめます。

営業日報の活用で守るべき4つのポイント


日報に記入する項目を決めておく

最初にやるべきことは蓄積すべき情報を定義することです。各自がバラバラに感じたことを日報に書いていたのでは視点が定まらず、案件ごとのプロセスの比較もままなりません。多くの場合、ビジネスの性格に応じ日報はフォーマット化されているものですが、日報を初めて導入する際は営業プロセスの定義を行い、収集すべき情報項目を決めることが大切です。

商談を点でなく線でとらえる

BtoBビジネスの場合一度の商談でクロージングするケースよりも何度も商談を重ねるケースが多くなります。アプローチからクロージングまでの流れ、そして契約後のフォローやアップセルまでトータルのプロセスを可視化することがポイントです。その日ごとの商談内容を点でおさえるより、線で捉えるほうがより実態がつかめ改善点も共有すべきノウハウも見つかりやすくなります。反対に1回の商談ばかりに気を取られるとすごくいい案件ですぐに受注しそうなものが蜃気楼のようにいつまでも先延ばしになったり、受注寸前での足踏み状態に気がつくことが遅れてしまいます。ステップ管理を行うには日報を点でなく線で捉えられる仕組みを入れる必要があります。

現実とのギャップをデータで炙り出す

リード獲得から育成、そして契約までにはタイムラグがあります。単品商品なら比較的タイムラグの幅が狭く管理しやすいのですが提案営業を推し進め商品が複合化・システム化してくるとリード獲得から契約までのタイムラグは長くなります。その時もタイムラグが長いからといって結果とプロセスの紐づけをしないで放置せず定点観測する必要があります。STEP管理と合わせて売り上げデータも併用して状況の変化をチェックするのです。商談件数が増え、デモが増えれば売り上げが上がるはず・・・と曖昧なままにすると長い営業STEPの流れが途切れていても誰も気がつかないということになりかねません。最終的には現実のデータと紐づかなくては「絵に描いた餅」でしかありません。

成功事例ばかりに注目しない

とかく成功事例にばかり注目が集まりがちですが、失敗事例やいい感じで進んでいたのになぜかうやむやになってしまった案件の方にも大きなヒントが隠されています。失注管理や失敗事例の共有、そしてその背後にある本当の原因をつかみ共有することがより重要です。日報は良く書く必要はなく、ありのまま事実を書くことが理想です。しかし、客観的に事実を書くことはとても難しいものです。だからこそ成功事例より失敗事例に価値があると考えています。最後に野村監督の名言を引用したいと思います。
勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし。
by 野村克也


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