為替変動による原価上昇には値上げで対応 | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2015年5月28日木曜日

為替変動による原価上昇には値上げで対応

おはようございます。
このところの円安傾向が気になります。原材料の仕入れや加工組立てを海外で行うクライアントも多く、原価上昇につながっているからです。それでも各社工夫を行い以前に比べると為替相場の影響を受けづらくなっていますが、それでも影響をゼロにすることはできないのです。

為替変動による原価上昇にどう対応するか
世界経済のネタ帳より引用
http://ecodb.net/exchange/usd_jpy.html


乾いた雑巾を絞る

コストダウンに限界はない!?無駄を洗い出し合理化を追求することでさらにコストダウンを推し進めようというものです。改善に終わりはなく、知恵を出し続けるという姿勢は尊敬に値します。しかし、その考えにあるリスクも忘れてはならないと感じています。乾いた雑巾は絞れないのです。「乾いたようにみえる雑巾でもまだ水分が残っている」というならわかりますが・・・なんだか精神論になってしまわないか?大切なのは現場、現物、現実です。現実問題として今できるコストダウンにどの程度のインパクトがあるのか?コストダウンだけが解決方法なのか?という視点が抜けやすいように思えるのです。

効果のない販売費を削る

利益が圧迫されると宣伝費や接待費、交通費などをカットすることがあります。効果のない無駄な経費は止めるべきですが、慎重に見極めないと売り上げ減につながり、さらに状況が厳しくなる悪循環につながりかねません。出費を抑えることはできますが、売り上げ減のリスクをも伴う対策です。販売費は景気の良い時も悪い時も必要です。本来、売れないときのほうが販売費は必要なはずなのです。安易な経費削減は首を絞めることにつながります。

販売価格を調整する

一番素直な対応が販売価格を調整することだと思います。しかし、実際には多くの場合価格は据え置きという選択肢が選ばれがち・・・。価格を据え置いたら確実に利益は削られます。大手企業なら体力勝負に持ち込み、状況がよくなるのを待つということができるかもしれません。しかし体力のない中小製造業には厳しい選択です。BtoBユーザーはプロの厳しい目で購買検討を行います。為替変動による原材料費の高騰などは当然理解しているのです。安定供給の大切さもご理解されています。おそらくコストダウンの努力もご理解されているのではないでしょうか。どんなに良いお客様でも「値上げをしてもいいよ」と自ら切り出すことはありません。だから交渉をして販売価格を調整するという営業努力が不可欠なのです。ましてや営業現場での値引き販売は最悪です。原価が上がったときの値引き販売は負のインパクトが大き過ぎます。

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