スキップしてメイン コンテンツに移動

営業プロセスを顧客視点に変換する方法

おはようございます。
昨日に続きブログのネタが思いつきません。たまにこういう時があるのですが、なんとなく思ったことを書いているうちになんとかなるものです。そしてすごく困ると昔書いたブログ記事を読み直し、それをヒントに新しい記事を書くこともよくあります。今日もそういう日です。

営業プロセスを購買プロセス視点で見直す


営業プロセスと購買プロセスのズレをなくす

営業活動ではアプローチ、商談、提案、契約、そしてアフターサービスまでの流れが大切です。一つずつの施策も大切ですが、お客様とのコミュニケーションを大きな流れとして考えることが大切です。ゴールに向かってバトンリレーをするイメージです。そのためには営業プロセスをお客様視点に変換してみる必要があります。営業プロセスはあくまでも売り込み視点です。顧客視点から見ると違った景色が見えてきます。購買プロセスというとAIDMAやAISASが有名なモデルです。しかし生産財購買は複数のキーマンによって進められ、経営目標や部署での目標達成をモチベーションに情報収集されます。また、生産財購入は共同開発や提携まで含め影響が大きいという特徴があります。生産財の購入プロセスは目標→関心→調査→引合→コンセンサス→契約をいう流れで進んでいきます。自社都合の営業プロセスと顧客視点の購買プロセスをリンクさせないと商談をマッチングできません。

アプローチ=情報提供

顧客にどうやってアプローチするのか?売れない営業はその方法やテクニックばかり考えがちです。しかし、購買プロセスを通してアプローチを考えると大切なことはターゲット企業のビジネス目標と課題であることが分かります。クライアントがどのような目標を立てているのか?障害はあるのか?課題は何か?そこに注目し仮説を立てて課題解決に役立つ情報提供をベースにアプローチしていきます。

商談=ヒアリング

商談ではいかに自社製品の良さをアピールするかという視点を持ちがちですが、購買プロセスを通して商談を考えると効果が薄いことが分かります。クライアントは実際どのような目標を掲げ、何に困っているのか?訪問前に立てた仮説と現実の摺合せが最も重要なのです。ヒアリングをすることで詳しく目標と課題を理解し、思い込みや勘違いをなくし、課題解決の方向性に間違いがないか?自社製品がベストかどうか?慎重に見極めます。この段階で条件や仕様が合わなければ商談をあきらめることも必要です。その情報を製品開発や次の営業活動に活かしていくのです。

提案=課題解決案

提案はQCDをベースに自社製品の優位性を理解していただくシナリオに傾きがちですが、顧客視点の提案では課題解決のためのシナリオがベースになります。そしてあくまでもQCDはそのための裏付けデータとして機能するのです。QCDはあくまでも黒子、主役は課題解決シナリオです。そして生産財の提案では購買チームを意識することも忘れてはなりません。担当者だけを見た提案には漏れがあります。製品使用者や決定権者、購買担当者など他部署のニーズや不安にも配慮したコンセンサスが得られやすい課題解決策が求められます。

アフターフォロー=見込育成

営業にとって契約はゴールです。しかし、クライアントにとって契約はスタートなのです。このギャップが後々顧客不満足につながることが多いのです。生産財取引は長期取引が基本です。特に生産設備の場合、ちょっとしたトラブルも大きな損害につながりかねないのです。納品後のフォローが製品スペック同様重視されるのです。契約後のアフターフォロー強化は顧客満足につながり、設備増設時のリピートや共同開発など後々のビジネスを大きくする次の営業活動だと位置づけるべきです。アフターフォローは最強の見込育成なのです。

この記事もおすすめ

このブログの人気の投稿

欠点をあげつらうことなく、臭いものに蓋することなく

おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける

おはようございます。 生産財業界では検討から採用までに時間がかかることが多いため、思わぬタイミングで案件が重なることがしばしばあります。いい時も悪い時も種をまき続けるからこそ、ブレークする時が生まれるのだと思います。2012年、2013年にご提案していた案件が立て続けに動き出しています。景気回復しているのか、たまたまなのか?分かりませんが動き続けている結果だと思います。今日は情報の5Sについて考えます。 シンプルだが奥深い情報の5S 職場環境の改善に不可欠な5S活動。製造業では知らない人がいないほど有名なスローガンです。【整理】【整頓】【清掃】【清潔】【しつけ】とてもシンプルですが奥深いものでいくら努力しても完成ということはありません。マーケティング活動にも5S活動は【情報の5S活動】として応用できます。 情報の5S活動 整理・・・「いる情報」と「いらない情報」を分け「いらない情報」は捨てる 整頓・・・「必要な情報」を「必要な人」に「必要なタイミング」で渡す 清掃・・・わかりやすく情報をまとめる。日常的に情報を更新する 清潔・・・整理・整頓・清掃の状態を維持する しつけ・・・整理・整頓・清掃についてのルールを守らせる 情報の5S活動もシンプルですが、実践を続け改善を続け理想に近づけても完成ということがない奥深いものです。5Sのなかでも特に「必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける。」情報の整頓はマーケティング活動のキモです。しかし、実際には多くのお客様、名刺交換したことのある人、協力会社の人、商談中の人・・・・・・様々な人に適切な情報を必要なタイミングに届けるのは大変なことです。完璧にそれをこなすことは困難です。すこしでも理想に近づけるためにデータベースとWebサイトは役立ちます。 情報の5Sを後押しする道具 徹底することが難しい情報の5S。なかでも情報の整頓はマーケティングに欠かせない要点です。必要な人に必要な情報を必要なタイミングで伝える。それだけのことを徹底するには道具が必要です。そのために欠かせない道具はデータベースとWebサイトです。 データベース Push型のメディアを使っての情報提供には顧客データベースが欠かせません。嫌がる人にメールやFAXを送り続けることは論外です。そして、同じ内容のメール...

TOCのダイスゲームを体験してきました

おはようございます。 朝起きたらWiFiがつながらず復旧に1時間近く時間がかかってしまいました。ネットにつながらないので原因を調べられませんでした。ネットに頼り切るとこういう時不便ですね。今日は時間もないのでサクッとまとめます。昨日はTOCとMQ会計を学びました。ダイスゲームを通してボトルネックを無くすことの大切さや各工程の最適化の合計が必ずしも全体最適につながらないことを体感させていただけました。 TOCのダイスゲームとは 「ザ・ゴール」で有名になったTOC理論を楽しみながら体感できるゲームです。ザ・ゴールのなかでは少年たちが順番にサイコロを振ってマッチ棒を移動させていたゲームです。それぞれがサイコロを振り出た目の数だけとなりからマッチ棒を移動させます。そして最後まで行ったら完成です。参加者をそれぞれ工場の各工程に見立てて、仕掛在庫やリードタイム、納期、欠品など工場内の流れを体感する優れたゲームです。 TOCは理論より実践 昨日、個人的にすごく面白く感じたのは、ゲームにのめり込むと1つの指標に気を取られかえって全体最適を忘れてしまう場面があることです。欠品ばかりに気を取られると注文が少ないことを喜んだり、逆に欠品を出さないことばかりに気を取られると仕掛在庫が膨らんでしまったり、上手くいかないのです。参加者の多くはザ・ゴールを読んでいた優れた人ばかりでしたが、それでもボトルネックを集中的にテコ入れし、それ以外の工程はボトルネックの能力以上に生産しないという原則を守るのは難しいと感じました。だからこそ何度も学びスキルアップさせる必要があるのだと思います。 いくらで作って、いくらで売るか またゲームを通してもう一つ感じたことがありました。それは自分が受け持った工程だけでなく前後の工程や工場全体のことに興味を持つのにこのゲームが役立つということです。もっというと製造の人間だけでなく営業や経理など他部門の人と一緒にゲームに参加すると立場を超えた視点での協力の手助けになると思います。本来、商売はいくらで作っていくらで売るか?その両方を考え最適化する必要があります。ユーザーが喜んで買って頂ける最も高い値段。それが最高の値決めです。そのうえで工場はコストダウンや在庫削減、納期遵守に全力を挙げています。しかし、営業が売上アップを目指し値引いて売って...