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問い合わせを絞り込もうとしたのに40%増えた!?

おはようございます。
クライアントのWebサイトをリニューアルして2か月たちました。セッションやセッション時間、直帰率ページビュー数などはリニューアル前後でほとんど変わっていませんが、コンバージョンは40.54%増加しています。コンバージョンを細分化して問合せしやすくサイト制作をした成果が出ています。



リニューアル後のアクセス状況

4月の半ばにサイトリニューアルを行い直近1か月のアクセスが以下の状況。目標の完了数が52件と前年同期比の40.54%に増加しています。アクセス状況自体対前年比で大きな変化はありません。しかし、コンバージョンのみ増加しているのです。



2015/05/23 - 2015/06/22(2014/05/23 - 2014/06/22)

  • セッション:5,079(5,164)
  • ユーザー:3,876(4,000)
  • ページビュー数:19,929(18,127)
  • ページ/セッション:3.92(3.51)
  • 平均セッション時間:00:02:36(00:02:26)
  • 直帰率:40.34%(39.04%)
  • 新規セッション率:66.02%(67.91%)
  • 目標の完了数:52(37)

真剣に検討しているユーザーに向き合いたい

「業務が多忙だから本気の引合に絞りたい」営業担当者から出たリニューアルへのリクエストでした。Web経由の引き合い数には満足しており、問合せを増やすことよりもちょっとした疑問はWebサイトを見ただけで解決してもらうのが狙いでした。そして、サイトの情報を充実させたその結果として引き合い増加にもつながった事例です。コンバージョンの中身は「カタログ請求」「製品に関するお問い合わせ」「購入に関するお問い合わせ」「カスタム品に対するお問い合わせ」「見積もり依頼」「海外からのお問い合わせ」などです。一番多いのが製品に関するお問い合わせで26件、2番目が見積もり依頼で12件、そして購入に関するお問い合わせが5件と続きます。安易な問い合わせができないように問い合わせ内容を具体的に示し、検討に必要な情報をなるべく詳しくWebサイトに公開したのです。濃い引き合いに絞れただけでなく、結果として引き合い自体も増加するというオマケがつきました。

製品情報の充実を最優先

サイトリニューアルで気を使ったことは製品情報の充実です。製品情報は出来る限り公開し、問い合わせしなくても検討できるよう配慮したのです。カタログ情報は当然のこと、在庫情報、代理店情報、廃版製品情報、その後継器をきめ細かく情報を公開しました。リニューアル前は最低限のスペック情報のみで、もっと詳しい情報が欲しい人はカタログをダウンロードしなければならなかったのです。リニューアルによって最初から詳しい情報を見れるようにしました。ほんの少し面倒を解消したのです。ネット上では少しのストレスがユーザーの離脱を招きます。ストレスなく必要な情報にアクセスできる、そんな基本がとても大切なのです。

ユーザーニーズに合うようゴールを細分化

リニューアル前はサイトのゴールはお問い合わせ1本でした。製品購入を考えている人も、カタログが欲しい人も、そして販売代理店を紹介して欲しい人も、すべてお問い合わせするしかなかったのです。これまでのお問い合わせを精査してユーザーニーズに配慮したゴールを設定しました。そうすることでゴールから逆算して必要な情報の洩れ・抜けをチェックしてコンテンツを用意したのです。生産財メーカーのWebサイトではまだまだ問い合わせフォームが一つしかないサイトが多くあります。しかし、ユーザーは様々な動機でサイトにアクセスしているのです。そのニーズに寄り添うゴール設定をすることがユーザーの行動を後押しします。今回紹介したのは抵抗器・負荷抵抗装置の専門メーカー:タマオームのWebサイトです

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欠点をあげつらうことなく、臭いものに蓋することなく

おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

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