生産財営業は専門職 | 製造業のWebマーケティング | 宮本 栄治
2015年12月18日金曜日

生産財営業は専門職

おはようございます。
元営業としてどうしても営業職に強いプロ意識を持ってほしいと思っています。そして営業の地位向上を強く願っています。だから売り上げが上がらないときに手の空いた人に注文を取りに行かせようとする考えや他部門からの営業への安易な配置転換を好意的に見ることができません。そしてそれ以上にプロとして研鑽を行わない営業は好きになれません。


生産財営業は専門職


営業はプロが責任を持つ

受注が減って稼働率が落ちてくると、技術に営業をさせることがあります。しかし、状況が悪くなってからの対策では遅いのです。無理な配置転換はモチベーションダウンにもつながります。本職の営業でも厳しい状況だから受注が少ないのに、営業経験のない人間に期待するのは無理があります。そこには「暇になったら注文を取りに行かせる。」という営業軽視の安易な考えがあるのかもしれません。受注の厳しい時期に普段できない仕事に取り組むのは賛成です。しかし、慣れない営業でなく本職の強化に努めるべきだと思うのです。技術による顧客訪問や研究開発など、本業に集中したほうが得るものは大きいと思います。注文が減ってから営業強化するのでは遅すぎるのです。大切なのは常に変化するユーザーニーズを先取りもしくは確認し続け、技術に顧客ニーズをフィードバックすることです。営業の役割は売り上げを上げることですが、それだけではないのです。そして営業のプロとして責任を全うする。日々営業スキルの向上に努めることが大切。営業は専門職なのです。専門職のスキルを身につけるには時間もかかります。エンジニアや資材担当者とビジネスコミュニケーションスキルが求められます。お客様からニーズを引き出すヒアリング能力、仮説を立て課題を発見するスキル、そして見積りと納期回答に必要な経験と知識、そして交渉力が必要です。工場とクライアントの間に立って品質、納期、価格をコントロールする力量が求められます。さらにトラブル対応力。プロの営業には広範囲なスキルが必要です。営業はプロが責任を持って行う。そのためのスキルアップは不可欠です。

新規開拓は仕込に時間がかかる

売り上げアップにはやはり新規開拓が必要です。しかし、生産財営業では既存顧客のフォローに多くの労力と時間がとられがちなことを忘れてはなりません。製造業では既存顧客を定期訪問し、ニーズを聞き出す「足で稼ぐ営業スタイル」が今も健在です。足で稼ぐスタイルは効率が悪く人海戦術になりがちです。さらに、景気が悪くなると買い控えや値引き要求が多くなり、今まで以上に守りを固めないと競合企業にお客を奪われかねません。既存顧客からの依頼や納品対応に追われ、新規開拓にまで手が回らないことが多いのです。そして生産財の購入は調査検討から契約までに多くの人が関わり、慎重に検討されることが多いのです。だから生産財の新規開拓には時間がかかります。営業都合で提案してもホットリードに出くわすことは稀です。状況伺いで情報提供を行いながらニーズが大きくなるのを待たなくてはならないのです。だから受注が減ってから営業したのでは遅すぎるのです。暇になってから営業してもお客様は振り向いてくれません。種まきを常に行うには営業リストが必要です。それが電話営業であっても、工場への飛び込み営業であってもダイレクトメールであっても初めに営業リストをつくらないことには何も始まらないのです。しかし、まったく取引のない新規企業に対する電話営業や飛び込み営業は確率が非常に悪く、ストレスもたまるしすぐにリストが枯渇します。生産財の営業リストには限りがあります。エリアや業種などから適切にターゲットを絞り込むと更に少なくなります。だから貴重なリストを大切に使うために慎重にアプローチ方法を考えなくてはなりません。生産財は組織で購入を検討します。会社や案件ごとにキーマンが所属する部署が変わるため適切なコンタクト先を見つけるにはコツがいります。生産財営業のプロは適切なコンタクト先は経験的につかんでいます。しかし、経験の浅い営業は適切なコンタクト先を見つけることにも手間取ります。それだけ新規開拓が困難だということです。だから常に種をまくこと、そして既存顧客サポートを徹底し、注文が減らないよう最大限の注意を払う必要があるのです。

顧客を熟知し御用聞きに徹する

既存顧客のサポート強化には御用聞きが鉄板。御用聞きというと何かダメな営業の典型のように思われがちですが、そんなことはありません。レベルの高いプロフェッショナルなスキルです。本物の御用聞きは顧客を熟知しなければできないのです。過去の顧客の注文を覚えており、買い替えのタイミングやニーズを理解し、必要なタイミングに必要なものをさりげなく持ってくるのが御用聞き営業です。本物の御用聞き営業は顧客のことをよく知っています。だから無駄がなく簡単に見えてしまうのです。ニーズを先読みしながらさりげなく役に立つ。「そろそろ在庫が切れるので持ってきてよ」→「ちょうど持ってきてました」こういうことが自然とできるのが御用聞きです。仕事以外のことでも顧客の役に立つことにアンテナを張ってフィードバックするのも御用聞きの特徴です。プライベートのことや自分の業務と違うことがらでも顧客に必要なものなら頭の片隅に入れて役に立ちそうな情報を仕入れるのです。雑談力があり、テキパキと時間をかけず、様々な人とのつながりを使って役立つ情報をフィードバックしています。御用聞きは目立ちません。自然にさりげなくふるまい顧客がいつも主役です。派手なプレゼンは行いませんが顧客に貢献しています。

まとめ

生産財営業はプロに任せるのが基本。まずは既存顧客のフォローを徹底し御用聞きに徹する。そして、さらに難しい新規開拓に挑戦するのが定石だと思います。

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