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”会えれば何とかなる”は営業の禁句

おはようございます。
生産財業界には技術力が強みの会社がたくさんあります。専門性が高く、要素技術を日々研鑽し特許も保有する。そんな会社です。そして営業は少し苦手。だからWebサイトを使って情報発信して引き合い≒技術相談を待つスタイルがしっくりくるのです。具体的な条件や現状の問題点がわかれば強みである技術力を説明するまでもありません。豊富な経験に基づいた様々な切り口のアイデアをフィードバックできるのです。そうです!会えれば何とかなるのです。でも裏を返せば相談されなければ何も・・・それがボトルネックになっている企業が多いのが生産財業界の特徴のような気がします。

”見込み客に会えれば何とかなる”では一歩の前に進まない

○○のスペシャリストはNO.1 の特権

”○○のスペシャリスト”このキャッチコピーが通用するのは、ごく一部の自他ともに認める業界のスペシャリストだけです。様々な実績、具体的な成果の積み上げで自他ともに認めるNO.1なら細かな説明なしでもその技術力は伝わります。そしてNO.1のところに問い合わせは集中します。だからさらに技術力に磨きがかかり、評判がますます高まるのです。そして、そこからあふれた相談がNO.2以下に流れていくのです。NO.1以外が○○のスペシャリストと何回言ってもユーザーに響くことはないでしょう。

問い合わせをQ&Aとして公開する

フェース・ツー・フェースなら会話の端々にその技術力を感じることができるのですが、Webサイトでは工夫が必要。単に技術があるでは不十分なのです。日ごろユーザーからくる質問や相談。それに対してどのようなアドバイスをしているのか?記録しておくのです。そして、公開できるよう検討し自社の技術力を具体的に伝えるひと手間が必要。日々の問い合わせを精査してQ&Aにまとめて公開する。オーソドックスな手法です。しかし、実践する企業は少なく、実践していても一向にQ&Aが公開時のまま増えないことが多いのが実態です。Q&Aはオーソドックスな手法ですが、形だけ真似してもうまくいきません。やるなら徹底して圧倒的な情報を公開し、更新し続けなければ技術力を伝えることは困難です。継続して他社を圧倒する情報が蓄積されればとても大きな差別化になります。Q&Aがさらなる問い合わせの引き金となりさらに情報が増える好循環に入れば占めたもの。更新も楽になります。

困難だからこそ価値がある

生産財ではユーザー満足度の高い優秀な技術であればあるほど情報公開に制限が入るものです。だからこそ、それを乗り越えられれば大きな差別化になります。非公開すべきものは守りつつ、自社の技術力を伝える方法を考えることがマーケティングの大きな目玉になるのです。その目玉を使ってどんどんPRしていけばいいのです。
  • 独自技術
  • 論文発表
  • 資格・認定
  • 実証データ公開
  • 技術コンクール
  • 産学官連携
  • 勉強会の主催
  • 販売台数
  • 取引先
  • 特許件数
  • メディア掲載記事
  • 改善事例
  • ユーザーの声
できないと決めつけず、どうしたら公開できるだろう?と考え実践した企業に大きなチャンスが来るのです。発注企業から来た難しい仕事にチャレンジすることは大きな財産。その財産を核に情報発信できる一工夫がマーケティング担当の仕事。せっかくの強みも知ってもらえなければ活かせることができません。そして何か始めたら成果が出るまで継続する。何年でも続ける。そういうことが大切だと思います。

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欠点をあげつらうことなく、臭いものに蓋することなく

おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける

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