スキップしてメイン コンテンツに移動

マーケティングの根治療法は設計から始まる

おはようございます。
設計で防げることを製造でリカバーする対処療法。それが設計にフィードバックされ改善されることが根治療法。設計と製造、両方が必要なんです。そして情報が循環することが大切。どっちが上でもありません。循環するひとつのシステム。これは製造業だけの課題ではありません。Webマーケティングも一緒。だけどマーケティングの現場では・・・設計が疎かになっているかもしれません。

マーケティングの根治療法は設計から始まる


テクニックでの改善は問題を隠してしまう

リスティングの成果は広告設計で80%決まります。設計に忠実に運用することが大切。何かあれば設計に問題が特定できるからです。気を利かせ運用で改善してしまうと課題が共有できなくなるのです。サイト制作も一緒。サイト設計の良しあしが成果に大きな影響を与えます。設計の甘さをデザインやテクニックでカバーしていたらサイトの構造的な問題が見えずらくなり根本的な解決の邪魔になります。

そもそも設計って何?

設計(せっけい、design)は、必要とする機能を具現化し検討した結果を建築物や工業製品、情報システム等を造るために仕様(設計図書)や設計図・設計書等を作る作業である。仕様を間違えると、作業のやり直しとなるので、慎重に検討・決定しなければならない。(Wikipediaより引用)
簡単にまとめるとコンセプトをまとめ、必要な機能を仕様に落とし込み設計図や設計書にまとめること。ものづくりのみならず、広告やWebサイトにも不可欠な設計。それなのに現実には頭の中で設計を済ませているケースをよく見ます。リスティングなら思いついたキーワードを登録して運用しながらパフォーマンスを改善していく。Webサイト制作で企画書やサイトマップ、要件定義書のないままページデザインを始めてしまう。運用者やデザイナーの経験値に頼りきりのリスキーな状態です。ノウハウはブラックボックスになり改善も部分最適にとどまりがち。設計書が残っていればそれを紐解き根治療法に活用することができます。

設計の3ステップ

構想設計

マーケティングの設計は「誰に」「何を」伝えたいのか?ターゲットとメッセージを決めそのうえで競合分析を行い、戦いやすい市場と戦い方の構想を練ること。いわゆるコンセプトをつくることです。クライアントの現状と理想を理解し、ギャップを埋めるための課題を見つけ課題解決の方向性を決めるステップ。クライアントとブラッシュアップして作り上げます。ここまでが主にコンサルタントやクライアントの役割。

基本設計

コンセプトを実現するために骨格となる全体の構造を設計します。リスティングなら予算配分や広告配信エリア、キャンペーンや広告グループの構成など基本的な項目の構成を考えます。Webサイトならサイトマップをつくりサイト構造(ディレクトリー構造)を考えます。Webサイトに乗せるべきコンテンツを漏れやダブりなく洗い出し再最適な割り振りを行う。そして先々の拡張性も見据えた設計を行います。基本設計は制作会社や広告会社のディレクターが行うことが多くなります。

詳細設計

実務レベルにまで設計を落とし込むステップです。リスティングで言えば入札金額ルール設定やキーワードのマッチタイプの選定、基準値をもとにした異常検知のシステム化など多岐にわたります。Webサイトならサーバー環境など詳細な要件定義が求められます。この部分は実務担当者と協力会社が協力してブラッシュアップする部分です。

まとめ

Webサイトやリスティングの設計書がない現場が多く、場当たり的な対処療法に終始しています。それでなくとも業務が集中するWeb担当者。対処療法を続けていては疲弊してしまいノウハウもたまりません。一度立ち止まり設計からやり直す必要があるのではないでしょうか。

この記事もおすすめ
リスティングは設計で8割決まる
制約条件が仕様を決める
設計のないリスティングはノウハウが溜まらない

このブログの人気の投稿

欠点をあげつらうことなく、臭いものに蓋することなく

おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける

おはようございます。 生産財業界では検討から採用までに時間がかかることが多いため、思わぬタイミングで案件が重なることがしばしばあります。いい時も悪い時も種をまき続けるからこそ、ブレークする時が生まれるのだと思います。2012年、2013年にご提案していた案件が立て続けに動き出しています。景気回復しているのか、たまたまなのか?分かりませんが動き続けている結果だと思います。今日は情報の5Sについて考えます。 シンプルだが奥深い情報の5S 職場環境の改善に不可欠な5S活動。製造業では知らない人がいないほど有名なスローガンです。【整理】【整頓】【清掃】【清潔】【しつけ】とてもシンプルですが奥深いものでいくら努力しても完成ということはありません。マーケティング活動にも5S活動は【情報の5S活動】として応用できます。 情報の5S活動 整理・・・「いる情報」と「いらない情報」を分け「いらない情報」は捨てる 整頓・・・「必要な情報」を「必要な人」に「必要なタイミング」で渡す 清掃・・・わかりやすく情報をまとめる。日常的に情報を更新する 清潔・・・整理・整頓・清掃の状態を維持する しつけ・・・整理・整頓・清掃についてのルールを守らせる 情報の5S活動もシンプルですが、実践を続け改善を続け理想に近づけても完成ということがない奥深いものです。5Sのなかでも特に「必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける。」情報の整頓はマーケティング活動のキモです。しかし、実際には多くのお客様、名刺交換したことのある人、協力会社の人、商談中の人・・・・・・様々な人に適切な情報を必要なタイミングに届けるのは大変なことです。完璧にそれをこなすことは困難です。すこしでも理想に近づけるためにデータベースとWebサイトは役立ちます。 情報の5Sを後押しする道具 徹底することが難しい情報の5S。なかでも情報の整頓はマーケティングに欠かせない要点です。必要な人に必要な情報を必要なタイミングで伝える。それだけのことを徹底するには道具が必要です。そのために欠かせない道具はデータベースとWebサイトです。 データベース Push型のメディアを使っての情報提供には顧客データベースが欠かせません。嫌がる人にメールやFAXを送り続けることは論外です。そして、同じ内容のメール...

TOCのダイスゲームを体験してきました

おはようございます。 朝起きたらWiFiがつながらず復旧に1時間近く時間がかかってしまいました。ネットにつながらないので原因を調べられませんでした。ネットに頼り切るとこういう時不便ですね。今日は時間もないのでサクッとまとめます。昨日はTOCとMQ会計を学びました。ダイスゲームを通してボトルネックを無くすことの大切さや各工程の最適化の合計が必ずしも全体最適につながらないことを体感させていただけました。 TOCのダイスゲームとは 「ザ・ゴール」で有名になったTOC理論を楽しみながら体感できるゲームです。ザ・ゴールのなかでは少年たちが順番にサイコロを振ってマッチ棒を移動させていたゲームです。それぞれがサイコロを振り出た目の数だけとなりからマッチ棒を移動させます。そして最後まで行ったら完成です。参加者をそれぞれ工場の各工程に見立てて、仕掛在庫やリードタイム、納期、欠品など工場内の流れを体感する優れたゲームです。 TOCは理論より実践 昨日、個人的にすごく面白く感じたのは、ゲームにのめり込むと1つの指標に気を取られかえって全体最適を忘れてしまう場面があることです。欠品ばかりに気を取られると注文が少ないことを喜んだり、逆に欠品を出さないことばかりに気を取られると仕掛在庫が膨らんでしまったり、上手くいかないのです。参加者の多くはザ・ゴールを読んでいた優れた人ばかりでしたが、それでもボトルネックを集中的にテコ入れし、それ以外の工程はボトルネックの能力以上に生産しないという原則を守るのは難しいと感じました。だからこそ何度も学びスキルアップさせる必要があるのだと思います。 いくらで作って、いくらで売るか またゲームを通してもう一つ感じたことがありました。それは自分が受け持った工程だけでなく前後の工程や工場全体のことに興味を持つのにこのゲームが役立つということです。もっというと製造の人間だけでなく営業や経理など他部門の人と一緒にゲームに参加すると立場を超えた視点での協力の手助けになると思います。本来、商売はいくらで作っていくらで売るか?その両方を考え最適化する必要があります。ユーザーが喜んで買って頂ける最も高い値段。それが最高の値決めです。そのうえで工場はコストダウンや在庫削減、納期遵守に全力を挙げています。しかし、営業が売上アップを目指し値引いて売って...