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比較のないところに決断はない

おはようございます。
このところクライアントへの提出資料の標準化に挑戦しています。今までに提出した資料を振りかえり商談率や実行率に注目し、いい資料の共通点を探っています。まだ始めたばかりなのですが、やっぱりいい資料は共通していることがあるんです。それは「比較できること」。比較と聞くと自社商品と競合商品の比較がイメージされるかもしれません。でも、そこからの比較は営業目線なので話半分でしか聞いてもらえないんです。

比較のないところに決断はない


課題共有のための比較

そもそもクライアントの課題やニーズはどこにあるのか?課題の見えない商談はゴールのみえないマラソンのようなもの。まず客観的なデータや事実を積み上げ、そこから仮説を立てて見当をつけながら課題・ニーズをつかむ必要があります。すでに課題が明確になっているクライアントでも手を抜いてはいけない工程です。課題やニーズを正しく理解できているのか?丁寧に確認するステップは欠かせません。その時に2つの比較が不可欠なのです。

横の比較

横の比較とは他者との比較です。BtoBだと鉄板は競合比較です。市場シェアを奪い合っている意識するライバルが何をしているのか?そしてクライアントはどうか?この比較を徹底します。ここまでが基本。でもそれだけではありません。業種、職種、世代、エリアなど違った切り口で横の比較を行うのです。自社内だけを見ていても気が付かないことは多いのです。横の比較は新しい視点を与えるきっかけになり、課題やニーズが浮き彫りになることが多いのです。

縦の比較

縦の比較とは時系列の比較です。過去、現在、未来と時系列でデータを比較し課題やリスクを顕在化させます。ベースとなるのは現状把握。徹底してデータを集めクライアントと現状把握を行い認識をすり合わせる。少しでも違和感があれば現状認識のすり合わせを行う。常に状況は変化しているので少し時間がたつとピンボケ状態になると気をつけていることです。そしてクライアントと目標を共有する。そうすることで付き合いが深まるごとにデータが蓄積され過去との比較精度も増していきます。

課題共有までが一区切り

ここで大切なこと。それは課題共有までと解決策提示のステップを同時に行わないこと。この2つを明確に分けることです。いったん時間を取ってクライアントに冷静に考える時間を与える必要があります。熱が冷めた後でも課題解決が必要とされていれば縦の比較、横の比較で得た課題はクライアントの中に定着します。時には一気に課題解決策まで提案してしまうケースもありますが、それは一刻を争う緊急事態のときにすること。クライアントを煽って一気に商談をまとめる手法は個人的に好きになれません。

課題解決策を決めるための比較

縦の比較、横の比較によってクライアントの課題やニーズを共有できたら次のステップです。課題解決策は一つではありません。複数の選択肢を比較するステップに入ります。しかし、実際にはこのステップが抜けがち。直感的に手段を選択してしまうクライアント、いきなり自社商品に絞り込む営業が溢れています。理想は複数の選択肢を比較し課題に合ったベストな組み合わせを選ぶこと。メーカー営業はどうしても自社製品中心の提案をせざる負えないので、幅広い選択肢が提示できる商社営業が活躍できるステップです。

サービスや商品を選ぶための比較

課題解決策が決まったら、次は具体的にサービスや商品を比較検討するステップです。課題解決策が決まればサービスや製品を比較する手段は世の中にあふれています。少し検索すればいくらでも商品・サービスは見つかるはず、そしてQCDを比較すればいいのです。今の時代このステップから営業してもできることは多くありません。

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欠点をあげつらうことなく、臭いものに蓋することなく

おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける

おはようございます。 生産財業界では検討から採用までに時間がかかることが多いため、思わぬタイミングで案件が重なることがしばしばあります。いい時も悪い時も種をまき続けるからこそ、ブレークする時が生まれるのだと思います。2012年、2013年にご提案していた案件が立て続けに動き出しています。景気回復しているのか、たまたまなのか?分かりませんが動き続けている結果だと思います。今日は情報の5Sについて考えます。 シンプルだが奥深い情報の5S 職場環境の改善に不可欠な5S活動。製造業では知らない人がいないほど有名なスローガンです。【整理】【整頓】【清掃】【清潔】【しつけ】とてもシンプルですが奥深いものでいくら努力しても完成ということはありません。マーケティング活動にも5S活動は【情報の5S活動】として応用できます。 情報の5S活動 整理・・・「いる情報」と「いらない情報」を分け「いらない情報」は捨てる 整頓・・・「必要な情報」を「必要な人」に「必要なタイミング」で渡す 清掃・・・わかりやすく情報をまとめる。日常的に情報を更新する 清潔・・・整理・整頓・清掃の状態を維持する しつけ・・・整理・整頓・清掃についてのルールを守らせる 情報の5S活動もシンプルですが、実践を続け改善を続け理想に近づけても完成ということがない奥深いものです。5Sのなかでも特に「必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける。」情報の整頓はマーケティング活動のキモです。しかし、実際には多くのお客様、名刺交換したことのある人、協力会社の人、商談中の人・・・・・・様々な人に適切な情報を必要なタイミングに届けるのは大変なことです。完璧にそれをこなすことは困難です。すこしでも理想に近づけるためにデータベースとWebサイトは役立ちます。 情報の5Sを後押しする道具 徹底することが難しい情報の5S。なかでも情報の整頓はマーケティングに欠かせない要点です。必要な人に必要な情報を必要なタイミングで伝える。それだけのことを徹底するには道具が必要です。そのために欠かせない道具はデータベースとWebサイトです。 データベース Push型のメディアを使っての情報提供には顧客データベースが欠かせません。嫌がる人にメールやFAXを送り続けることは論外です。そして、同じ内容のメール...

TOCのダイスゲームを体験してきました

おはようございます。 朝起きたらWiFiがつながらず復旧に1時間近く時間がかかってしまいました。ネットにつながらないので原因を調べられませんでした。ネットに頼り切るとこういう時不便ですね。今日は時間もないのでサクッとまとめます。昨日はTOCとMQ会計を学びました。ダイスゲームを通してボトルネックを無くすことの大切さや各工程の最適化の合計が必ずしも全体最適につながらないことを体感させていただけました。 TOCのダイスゲームとは 「ザ・ゴール」で有名になったTOC理論を楽しみながら体感できるゲームです。ザ・ゴールのなかでは少年たちが順番にサイコロを振ってマッチ棒を移動させていたゲームです。それぞれがサイコロを振り出た目の数だけとなりからマッチ棒を移動させます。そして最後まで行ったら完成です。参加者をそれぞれ工場の各工程に見立てて、仕掛在庫やリードタイム、納期、欠品など工場内の流れを体感する優れたゲームです。 TOCは理論より実践 昨日、個人的にすごく面白く感じたのは、ゲームにのめり込むと1つの指標に気を取られかえって全体最適を忘れてしまう場面があることです。欠品ばかりに気を取られると注文が少ないことを喜んだり、逆に欠品を出さないことばかりに気を取られると仕掛在庫が膨らんでしまったり、上手くいかないのです。参加者の多くはザ・ゴールを読んでいた優れた人ばかりでしたが、それでもボトルネックを集中的にテコ入れし、それ以外の工程はボトルネックの能力以上に生産しないという原則を守るのは難しいと感じました。だからこそ何度も学びスキルアップさせる必要があるのだと思います。 いくらで作って、いくらで売るか またゲームを通してもう一つ感じたことがありました。それは自分が受け持った工程だけでなく前後の工程や工場全体のことに興味を持つのにこのゲームが役立つということです。もっというと製造の人間だけでなく営業や経理など他部門の人と一緒にゲームに参加すると立場を超えた視点での協力の手助けになると思います。本来、商売はいくらで作っていくらで売るか?その両方を考え最適化する必要があります。ユーザーが喜んで買って頂ける最も高い値段。それが最高の値決めです。そのうえで工場はコストダウンや在庫削減、納期遵守に全力を挙げています。しかし、営業が売上アップを目指し値引いて売って...