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顧客密着は中小製造業の定石

おはようございます。
既存顧客のフォローアップ。会社で仕組みを作りフォロー状況を共有する。営業任せでもなく、販売代理店任せでもなく。顧客に同じことを何度も聞くことのないように。売るときは熱心なのに売ったらそれっきりにしないように。少しずつ理想の形に近づけるように。小さな会社はこういった仕組みが作れていないことが多いもの。購入履歴データやメンテナンス記録から将来のニーズを先回りしてフォローできる会社はごくわずかです。

顧客密着は中小製造業の定石


大切なのはシステムでなくデータ

消耗品が切れそうな時期はデータを蓄積していれば分かるはず。製品には寿命があります。だからメンテナンスの時期だって最適化できるはず。その時期に気の利いた連絡を入れる仕組みなんてすぐにできます。高額なシステムを導入しなくともエクセルで管理は可能。そしてカレンダーアプリを使いアラーム設定すれば忘れることなどありません。要はやる気の問題。やる気があってもシステムがあってもデータがなければ蓄積されるまでは我慢が必要。といっても商社に頼った営業ではエンドユーザーが誰かも不明な時も・・・要するに大切なのはシステムじゃないんです。システムがあってもそこにデータを入れなければ動かない。顧客データこそが財産。財産を有効に再活用する道具がシステム。でも、主従が逆転しているマーケティングの現場をよく見かけます。

顧客密着に自社のリソースを集中させる

これではいつまでたっても顧客フォローもできないし、顧客ニーズなんて掴めるわけがありません。どうやったら顧客データを入手できるか?知恵を絞り実行していくしかありません。既存顧客の取引履歴は貴重な財産。しっかり記録を残すことがまず第一歩。データが蓄積出来たら会社全体で有効に活用すべき。そしてフォローアップの結果も記録に残しPDCAを回していく。人出が少ない中小製造業が自社で本当に取り組むべき仕事はそういったこと。外注費を惜しむことばかり気にし、何でも内製化する。人が余っているならまだしも・・・それなのに既存顧客のフォローのしくみ化やフォローのブラッシュアップが抜け落ちている。そんな状態で新規開拓を行ってもザルで水を抄うようなもの。顧客密着は中小製造業の定石のひとつ。顧客密着するからこそ、ニーズを満たす製品・サービスが生まれるのです。顧客密着することに自社のリソースを集中する。そのために業務内容の見直しをかける。顧客密着が出来ないと顧客が何を目指し、何に困っているのか?把握するのは困難です。そんな中でするカイゼンより、顧客密着する中で生きたヒントをみつけたほうが効果的。今は調子が良くても・・・顧客と直接コミュニケーションが取れないとしたら実は不安定な状態なのかもしれません。楽だけど大きなリスクを孕んだ状態を抜け出すには、顧客との直接コミュニケーションが鍵です。

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欠点をあげつらうことなく、臭いものに蓋することなく

おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける

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