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生産財マーケティングに求められる時間感覚

おはようございます。
今年から週3日の更新にしたこのブログ。本当にしんどい。毎日のほうがずいぶん楽でした。でも、今年はブログ更新の時間を削って体作りに励むと決めたのでこのまま頑張ります。楽なことにはすぐ慣れてしまうんですね。たまの更新のほうが面倒に感じるから不思議です。

生産財マーケティングに求められる時間感覚


すぐに結果を求めない

本来ならば月曜日が祝日なら週2日の更新でいいのだから楽なはず。でも楽に慣れちゃうとそうは感じないんですね。毎日ならそんなこと感じる余裕すらない。ただひたすら毎日書くだけ。それが不思議とつらくもなんともない。そうしたことを強く実感できたことが良かったことのひとつです。でも、それ以上に体を大切にすることを選んだのです。だから、大切にその時間を使おうと思います。そんな中インフルエンザに罹ったので1週間以上もウォーキングを休みました。そして昨日から再開。朝5時から1時間のウォーキング。寒いけど気持ちがいいんです。そして、大切にしていることがもう一つ。それはすぐに見返りを求めないこと。少し歩いたくらいですぐに結果を求めない。毎日の体重増減に一喜一憂しないこと。

時間のかかる生産財マーケティング

それは生産財のWebマーケティングにもつながります。新しい試みの結果を1か月程度の短い期間で求めない。月々のアクセスやコンバージョンの増減に一喜一憂しないことです。さらに、そんな短いスパンで数字の変化を逐次クライアントに報告するのは百害あって一利なし。報告すればクライアントは数字の変化を気にするようになります。そして、その原因が気になり、ああでもないこうでもないと迷い始める。そうしてあっちへ行ったりこっちへ行ったり腰が定まらなくなりがち。だから1か月のアクセスが1万にも満たないWebサイトのたった一つの施策。さらに小さな数字のコンバージョンの増減に理由を求めることが有意義には思えないのです。それでなくとも検討が長期間にわたり複数の関係者の合意で進むことが多い生産財です。1か月そこらのコンバージョンの増減にいちいちそれらしい理由を探すことに意味はない。統計上の誤差や景気変動の影響、そして施策の効果が出るまでのタイムラグだって考慮しなければなりません。きちんと統計的に信頼性のある数字にするには長期間のデータで見る必要があります。

小さな視点で得られるのは不安と妄想

小さなスパンの分析で得られる改善案は得てして小さく、さらに信頼性の欠けるデータ量での判断になりがちなのです。仮説というよりも不安と妄想に近いと考えています。骨太の方針を立ててどっしり構える。目先の数字の増減にまどわされない。クライアントが結果に一喜一憂するのは理解できるけどコンサルティングする側はそうではならない。そんなことを考えながら昨日の早朝は歩いていました。ビジネスデータは1か月単位で結果をまとめることが多いのでピンと来ないかもしれませんね。週次報告ならどうでしょう。日次報告ならどうでしょう。それとも1時間ごとに営業成績を分析しているとしたら・・・やっぱり意味のある分析なんて困難だと思います。生産財マーケティングはそれよりももっとゆったりとした時間軸で動かすのがコツです。ましてや生産財の中でも1,000万円を超えるような設備だと四半期単位ですら短すぎる。プロセスオートメーションに使われる設備だったら5年、10年のスパンでものを考える必要だってあるのです。そんな時間感覚が求められる生産財。1か月の10に満たないコンバージョンの増減に一喜一憂していい仕事ができることはありません。それが15件に増えたところでたまたまかもしれませんし、5件に減ったところでWeb以外の要因のほうが影響度が大きいと考えてもおかしくありません。統計的に信頼できるデータ量を確保するまで軽々しく結論を出さないことが成功の秘訣でもある。そう思っています。月次レポートで一喜一憂していたら赤信号かも。少しでも思い当たる節があったらどっしり構え軽々に動かないのが大切ですね。

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欠点をあげつらうことなく、臭いものに蓋することなく

おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける

おはようございます。 生産財業界では検討から採用までに時間がかかることが多いため、思わぬタイミングで案件が重なることがしばしばあります。いい時も悪い時も種をまき続けるからこそ、ブレークする時が生まれるのだと思います。2012年、2013年にご提案していた案件が立て続けに動き出しています。景気回復しているのか、たまたまなのか?分かりませんが動き続けている結果だと思います。今日は情報の5Sについて考えます。 シンプルだが奥深い情報の5S 職場環境の改善に不可欠な5S活動。製造業では知らない人がいないほど有名なスローガンです。【整理】【整頓】【清掃】【清潔】【しつけ】とてもシンプルですが奥深いものでいくら努力しても完成ということはありません。マーケティング活動にも5S活動は【情報の5S活動】として応用できます。 情報の5S活動 整理・・・「いる情報」と「いらない情報」を分け「いらない情報」は捨てる 整頓・・・「必要な情報」を「必要な人」に「必要なタイミング」で渡す 清掃・・・わかりやすく情報をまとめる。日常的に情報を更新する 清潔・・・整理・整頓・清掃の状態を維持する しつけ・・・整理・整頓・清掃についてのルールを守らせる 情報の5S活動もシンプルですが、実践を続け改善を続け理想に近づけても完成ということがない奥深いものです。5Sのなかでも特に「必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける。」情報の整頓はマーケティング活動のキモです。しかし、実際には多くのお客様、名刺交換したことのある人、協力会社の人、商談中の人・・・・・・様々な人に適切な情報を必要なタイミングに届けるのは大変なことです。完璧にそれをこなすことは困難です。すこしでも理想に近づけるためにデータベースとWebサイトは役立ちます。 情報の5Sを後押しする道具 徹底することが難しい情報の5S。なかでも情報の整頓はマーケティングに欠かせない要点です。必要な人に必要な情報を必要なタイミングで伝える。それだけのことを徹底するには道具が必要です。そのために欠かせない道具はデータベースとWebサイトです。 データベース Push型のメディアを使っての情報提供には顧客データベースが欠かせません。嫌がる人にメールやFAXを送り続けることは論外です。そして、同じ内容のメール...

TOCのダイスゲームを体験してきました

おはようございます。 朝起きたらWiFiがつながらず復旧に1時間近く時間がかかってしまいました。ネットにつながらないので原因を調べられませんでした。ネットに頼り切るとこういう時不便ですね。今日は時間もないのでサクッとまとめます。昨日はTOCとMQ会計を学びました。ダイスゲームを通してボトルネックを無くすことの大切さや各工程の最適化の合計が必ずしも全体最適につながらないことを体感させていただけました。 TOCのダイスゲームとは 「ザ・ゴール」で有名になったTOC理論を楽しみながら体感できるゲームです。ザ・ゴールのなかでは少年たちが順番にサイコロを振ってマッチ棒を移動させていたゲームです。それぞれがサイコロを振り出た目の数だけとなりからマッチ棒を移動させます。そして最後まで行ったら完成です。参加者をそれぞれ工場の各工程に見立てて、仕掛在庫やリードタイム、納期、欠品など工場内の流れを体感する優れたゲームです。 TOCは理論より実践 昨日、個人的にすごく面白く感じたのは、ゲームにのめり込むと1つの指標に気を取られかえって全体最適を忘れてしまう場面があることです。欠品ばかりに気を取られると注文が少ないことを喜んだり、逆に欠品を出さないことばかりに気を取られると仕掛在庫が膨らんでしまったり、上手くいかないのです。参加者の多くはザ・ゴールを読んでいた優れた人ばかりでしたが、それでもボトルネックを集中的にテコ入れし、それ以外の工程はボトルネックの能力以上に生産しないという原則を守るのは難しいと感じました。だからこそ何度も学びスキルアップさせる必要があるのだと思います。 いくらで作って、いくらで売るか またゲームを通してもう一つ感じたことがありました。それは自分が受け持った工程だけでなく前後の工程や工場全体のことに興味を持つのにこのゲームが役立つということです。もっというと製造の人間だけでなく営業や経理など他部門の人と一緒にゲームに参加すると立場を超えた視点での協力の手助けになると思います。本来、商売はいくらで作っていくらで売るか?その両方を考え最適化する必要があります。ユーザーが喜んで買って頂ける最も高い値段。それが最高の値決めです。そのうえで工場はコストダウンや在庫削減、納期遵守に全力を挙げています。しかし、営業が売上アップを目指し値引いて売って...