スキップしてメイン コンテンツに移動

生産財メーカーにマーケティングが不在なわけ

おはようございます。
段々と温かくなってきました。春ですね。寒の戻りもあるでしょうが確実に季節は移っています。仕事も季節と同じように着実に前に進めたいと思います。WebのPDCAを確実に回し、そこから営業や開発のヒントを見つけていく。そうした理想を実現するためクライアントと奮闘中です。



Web改善から営業、開発改善へ

Web上のPDCAをまわす環境は整ってきましたが、営業や開発で施策の結果検証する環境はまだまだです。機密情報も多くなかなか思うように進まない時もありますが一歩づつ理解を得ながら進めていこうと思います。やはり一番大切なのは現場の意識。検証が不可欠なこと、そのために記録を残すことの大切さを腹落ちするまで伝えています。やったことを検証し、改善策を考え実行することが結果として自分の仕事の評価につながることを何度でも説明する。そうしなければ、せっかくの提案も現場ではただ面倒なものになってしまう。だから意識改革が不可欠。そのうえで実行したら確実に検証する習慣を身につけていただく。今一番重視していることです。

顧客と競合の観察がなければ独りよがり

営業で差別化しようと思ったらマーケティングに取り組むのがお勧め、そして行動と検証が両輪となって前進していくのだと思います。営業もマーケティングも同じ。「誰に」「何を」伝えるのか?そして相手にどう行動してほしいのか?それを突き詰めPDCAを回し続ける。やりっぱなし、いいっぱなしゼロを目指し丁寧に仕事する。そうすることで特別な才能がなくとも成果は出ます。ツールやテクニックも悪くはないけど、それに振り回されるのは感心できません。顧客と競合を観察することで自分を知る。そして、改善し、前進し続ければいいのです。顧客や競合の観察が疎かになりがちだと思うように結果は出ないもの。せっかくの努力も独りよがりになりがちです。

顧客との接点がなく、競合企業も分からない

実際に生産財メーカーでは顧客との接点がほとんどなく、競合企業の活動状況も分からないまま日々改善活動をしている担当者を見かけることがあります。その結果改善活動はQCDばかりになりがち。マーケティング不在といわれるゆえんです。マーケティングというと広告宣伝や販売促進をイメージする人が多いけどそれはマーケティングのごく一部の要素。市場を徹底的に観察し、自社がどうやってそのなかで貢献するか方針を定め仮説を立てながら様々な施策を実行するのがマーケティング。宣伝も販促も大きなマーケティング戦略の中の小さな戦術のひとつにすぎません。顧客を知らず、競合も知らないから自社の技術の価値を正しく判断できない。ひたすらQCDを改善する。一生懸命だけではいけないのだと思います。

大切なことは市場を良く知るということ

それでなくとも自分というものは見えないもの。だから、第3者の意見はとても大切な情報になります。それが自分の仕事。検証できる環境を整え顧客と競合をじっくり観察しクライアントの良さを引き出す作戦を考え共有する。そして行動していただき検証し、改善を繰り返す。大切なことは観察→行動→改善。顧客と競合を観察するということは市場を良く知るということ。それが疎かだと計画は絵に描いた餅になりがち。だから第3者の視点で市場観察し続けクライアントと違った視点でヌケ・漏れを減らす。少しでも客観的に市場を見つめる手助けをしています。生産財メーカーにマーケティングが不在なわけ。それは”顧客””競合”の観察が足りないから。大切なことは市場を良く知るということです。

この記事もおすすめ
Web集客する前に済ませておくこと
生産財マーケティングに求められる時間感覚
遅いようで速いPDCAの回し方

このブログの人気の投稿

欠点をあげつらうことなく、臭いものに蓋することなく

おはようございます。 自社サイトって意外と見ていない人が多いもの。日ごろ仕事をしていて感じることです。だから、不具合や古い情報を垂れ流しのままにしているサイトがなくならないのかもしれません。 ユーザー目線は難しい だから、自社サイトをじっくり見れば問題に気がつき成果が上がる・・・そんなこともありません。どうしても主観的なチェックになりがちで問題を見逃すことがでてくるもの。そして問題をみつけても改善方法がわからない・・・。問題が多すぎてどこから手を付けるべきかわからない・・・。そういう時に声がかかることが多いように思います。よく”ユーザー目線で見ることが大切”といわれていますが、これがなかなか難しい。だから、お声がかかったときはクライアントの代わりにチェックするのが自分の役割だと思っています。ユーザーになりきるなんてできないのです。思い入れのある製品・技術、そして改善活動の積み重ね・・・多くの経験と苦労が客観視することを邪魔します。それができるならWebサイトでも成果は出せるはず。というよりもユーザー目線になれるなら製品開発も営業も大抵うまくいく。分かっているけどできないことの典型なのです。だからクライアントに「ユーザー目線で自社サイトを見なきゃダメ。」とは言いません。私にできることはユーザー目線は難しいけど、事情を知らない第三者として素直にサイトを見ることです。 感じたことをそのままお伝えしない 自社サイトをユーザー目線で客観的に見ることが難しいから第三者の意見が求められるのです。大人の事情を知らない・気にしない。それもユーザー目線に近づくための必要条件のひとつ。製品に対する思い入れや愛情もユーザー目線には不要です。固定観念や思い入れは邪魔になるだけ。見たまま、感じたまま、そして、アクセスデータから客観的な事実を抽出する。でも、感じたことをそのままお伝えすることはしないんです。感じたこと・気がついたことを忘れないように整理しながらどう伝えたら改善行動につながりやすいのか?また、悪い指摘ばかりして、感情的な拒絶をされ建設的な話ができなくならないように細心の注意をしています。 長所を見つけ伸ばしていく 基本的には悪い指摘だけで終わらせない。クライアントの良さが伝わる具体的な改善案を合わせてお伝えする。そして、悪い面だけなくクライアントが気...

必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける

おはようございます。 生産財業界では検討から採用までに時間がかかることが多いため、思わぬタイミングで案件が重なることがしばしばあります。いい時も悪い時も種をまき続けるからこそ、ブレークする時が生まれるのだと思います。2012年、2013年にご提案していた案件が立て続けに動き出しています。景気回復しているのか、たまたまなのか?分かりませんが動き続けている結果だと思います。今日は情報の5Sについて考えます。 シンプルだが奥深い情報の5S 職場環境の改善に不可欠な5S活動。製造業では知らない人がいないほど有名なスローガンです。【整理】【整頓】【清掃】【清潔】【しつけ】とてもシンプルですが奥深いものでいくら努力しても完成ということはありません。マーケティング活動にも5S活動は【情報の5S活動】として応用できます。 情報の5S活動 整理・・・「いる情報」と「いらない情報」を分け「いらない情報」は捨てる 整頓・・・「必要な情報」を「必要な人」に「必要なタイミング」で渡す 清掃・・・わかりやすく情報をまとめる。日常的に情報を更新する 清潔・・・整理・整頓・清掃の状態を維持する しつけ・・・整理・整頓・清掃についてのルールを守らせる 情報の5S活動もシンプルですが、実践を続け改善を続け理想に近づけても完成ということがない奥深いものです。5Sのなかでも特に「必要な人に必要な情報を必要なタイミングで届ける。」情報の整頓はマーケティング活動のキモです。しかし、実際には多くのお客様、名刺交換したことのある人、協力会社の人、商談中の人・・・・・・様々な人に適切な情報を必要なタイミングに届けるのは大変なことです。完璧にそれをこなすことは困難です。すこしでも理想に近づけるためにデータベースとWebサイトは役立ちます。 情報の5Sを後押しする道具 徹底することが難しい情報の5S。なかでも情報の整頓はマーケティングに欠かせない要点です。必要な人に必要な情報を必要なタイミングで伝える。それだけのことを徹底するには道具が必要です。そのために欠かせない道具はデータベースとWebサイトです。 データベース Push型のメディアを使っての情報提供には顧客データベースが欠かせません。嫌がる人にメールやFAXを送り続けることは論外です。そして、同じ内容のメール...

TOCのダイスゲームを体験してきました

おはようございます。 朝起きたらWiFiがつながらず復旧に1時間近く時間がかかってしまいました。ネットにつながらないので原因を調べられませんでした。ネットに頼り切るとこういう時不便ですね。今日は時間もないのでサクッとまとめます。昨日はTOCとMQ会計を学びました。ダイスゲームを通してボトルネックを無くすことの大切さや各工程の最適化の合計が必ずしも全体最適につながらないことを体感させていただけました。 TOCのダイスゲームとは 「ザ・ゴール」で有名になったTOC理論を楽しみながら体感できるゲームです。ザ・ゴールのなかでは少年たちが順番にサイコロを振ってマッチ棒を移動させていたゲームです。それぞれがサイコロを振り出た目の数だけとなりからマッチ棒を移動させます。そして最後まで行ったら完成です。参加者をそれぞれ工場の各工程に見立てて、仕掛在庫やリードタイム、納期、欠品など工場内の流れを体感する優れたゲームです。 TOCは理論より実践 昨日、個人的にすごく面白く感じたのは、ゲームにのめり込むと1つの指標に気を取られかえって全体最適を忘れてしまう場面があることです。欠品ばかりに気を取られると注文が少ないことを喜んだり、逆に欠品を出さないことばかりに気を取られると仕掛在庫が膨らんでしまったり、上手くいかないのです。参加者の多くはザ・ゴールを読んでいた優れた人ばかりでしたが、それでもボトルネックを集中的にテコ入れし、それ以外の工程はボトルネックの能力以上に生産しないという原則を守るのは難しいと感じました。だからこそ何度も学びスキルアップさせる必要があるのだと思います。 いくらで作って、いくらで売るか またゲームを通してもう一つ感じたことがありました。それは自分が受け持った工程だけでなく前後の工程や工場全体のことに興味を持つのにこのゲームが役立つということです。もっというと製造の人間だけでなく営業や経理など他部門の人と一緒にゲームに参加すると立場を超えた視点での協力の手助けになると思います。本来、商売はいくらで作っていくらで売るか?その両方を考え最適化する必要があります。ユーザーが喜んで買って頂ける最も高い値段。それが最高の値決めです。そのうえで工場はコストダウンや在庫削減、納期遵守に全力を挙げています。しかし、営業が売上アップを目指し値引いて売って...