おはようございます。
今週もよい一週間になるようがんばります。
製造業にとって「ものづくりの強化」は永遠のテーマです。
製造工程を改善し、仕掛品を減らし、リードタイムを短縮する。その積み重ねが競争力を生む。これは誰もがわかっていることです。しかし、事業全体を俯瞰すると、「本当のボトルネック」は工場の中ではなく、工場の外にある場合が少なくありません。
「知られていない」ことが最大の壁だった
以前、ある中小製造業の事例をご紹介しました。技術力には定評がありましたが、新規の引合いがまったく増えない。よくよく話を伺うと、そもそも市場に存在を知られていないことがボトルネックだったのです。そこでホームページを一新し、「はじめて見る人にも伝わる」構成に見直しました。検索エンジンを使った広告やSEOを地道に積み重ね、見込み客が集まるようになり、新聞や自治体などのメディア露出も重なって認知度が上昇。営業の場も展示会や問い合わせへと広がり、チャンスが一気に増えました。
次は「品質」が新たなボトルネックに
露出が増えると、今度は大手企業からの問い合わせが増えました。それまで求められていた品質基準よりも、さらに高いレベルが要求されるようになり、今度は工場の改善フェーズへ。生産設備の見直し、品質管理体制の整備、社員教育、ISO認証の取得などに取り組み、大手企業との取引に応える準備が整っていきました。
そして、営業効率・対応力の壁
品質改善を乗り越えたと思ったら、今度は問い合わせの数に対して、営業対応が追いつかないという新たなボトルネックが浮かび上がりました。限られた人員で、より質の高い見込み客に絞って対応する必要があり、製品カタログの整備、代理店の拡充、ホームページでの説明強化などに取り組み、営業効率の改善に力を入れることに。
そして今、「採用」が次のボトルネックに
最近では、人が足りないという課題が目立ち始めました。営業強化にしても、品質対応にしても、現場を支える人材なしには始まりません。しかし、採用活動も簡単ではない。「うちはまだ小さいから」「地方だから」とあきらめてしまうと、本来得られるはずの成長機会も逃してしまいます。実際に成果を出している企業は、採用にも自社の強みやビジョンを打ち出し、ホームページを使って求める人材にアプローチしています。採用は、経営の未来をつくる営業活動の一環とも言えます。
ボトルネックは、常に変わる
事業が前に進むほど、次の課題が顔を出します。技術、認知、品質、営業、採用——
一つずつ課題を乗り越えた先に、次の成長ステージが待っているのだと思います。今、自社の“詰まり”はどこにあるか?工場の外にも目を向けてみると、打つべき次の一手が見えてくるかもしれません。