こんにちは。
明日から楽しみな商談が続きます。いつもどおり商談を楽しみ真剣に意見をぶつけます。
「うちは特注対応が強みです」
そう胸を張る中小の生産財メーカーは少なくありません。しかしその一方で、「ホームページからの問い合わせがほとんどない」「新規の相談が来ない」といった悩みを抱えている企業も数多く見かけます。
なぜでしょうか?
それは、強みをどう伝えるかの工夫が足りないからです。特注対応は、モノが存在しない分、どうしても“見えづらい”のが難点。ましてやBtoBで信頼や契約が絡むビジネスでは、扱う情報も慎重にならざるを得ません。「何でもご相談ください」では、ユーザーは相談のきっかけすら掴めないのです。
“できること”を明確に伝える
成功している生産財メーカーのホームページには、共通点があります。それは「どこまで対応できるか」が明快であること。たとえば:
- 対応エリア・納期
- 最小ロット・対応サイズ
- 強みとする技術要素
- 対応できない案件の線引き
こういった条件をQ&A形式で掲載するだけでも、問い合わせの質はぐっと変わります。「とりあえず問い合わせてみよう」ではなく、「この会社なら相談できそう」と思ってもらうことが第一歩です。
実績は“見せ方”が鍵
過去の事例は信頼構築に欠かせませんが、特注対応では守秘義務の壁もあります。そこで効果的なのが、件数や地域別の納入実績、扱った材質や用途の紹介。顧客名を出さずとも「どんな現場で使われているのか」を伝えることはできます。さらに、「このようなご相談を歓迎します」と事例ベースで情報を発信すれば、相談しやすい雰囲気が生まれます。
実績の非公開を明言するのもアリ
とはいえ、実績公開は生産財メーカーにとって高いハードルであることは間違いありません。しかし、ここで思考停止せず、公開できないことを逆手にとってなぜ、実績を公開しないのか? 実績非公開のポリシーをホームページで説明する。ユーザー第一と考えあえて実績は非公開にしていることをアピールすることで安心して相談できる環境を少しでも整えることができます。
本気度を見極める工夫を
ホームページ経由の問い合わせが増えると、やがて対応しきれなくなる時期がきます。そのときに重要なのが“本気の引き合い”を見極める視点です。
たとえば、図面やポンチ絵の提出をお願いする。それだけで本気度が格段に見えてきます。現場写真や手描きのスケッチでも「この状況をどうにかしたい」という見込み客の熱意は伝わるものです。
特注対応こそ情報開示が武器
よく「価格が出せない」「納期が読めない」といった声を聞きます。確かにその通りです。しかし、「出せない」ことを理由に、何も伝えないままでは、新規の顧客は検討すらできません。
成功している企業は、“価格が出せないなら、なぜ出せないのか”を説明し、その代わりに目安となる情報(標準的な価格帯、納期の目安など)を丁寧に公開しています。たったそれだけの違いで、ユーザーの信頼度は大きく変わります。
これはまさに、製造現場で当たり前に大切にされている「QCD(品質・コスト・納期)」の考え方そのもの。作るときはQCDにこだわるのに、売るときだけ情報を伏せるのでは、整合性が取れません。だからこそ、買う側が知りたいことをきちんと示す。これは特注メーカーにとって最大の差別化ポイントになります。
ホームページは“営業パートナー”にできる
あるメーカーでは「忙しいから、本気の引き合いに絞りたい」という営業担当の声からホームページを見直しました。結果、問合せの質が高まり、しかも引き合い自体も増加。カタログ請求や見積依頼といった“濃い”問い合わせが明らかに増えたのです。
ユーザーが何に悩み、どんな情報を求めているかを想像し、それに応える形で情報を整理・公開する。それだけでホームページは立派な営業マンになります。
まとめ
特注対応という強みを活かすには、ただ「何でもできます」では伝わりません。何ができて、何ができないのか。価格や納期がなぜ出せないのか。そして、どんな引き合いを望んでいるのか。これらを明確に伝えるWebサイトこそが、信頼を生み、新規顧客の扉を開くカギとなります。
今のホームページ、ユーザー目線で語れていますか?